ミニ・レビュー
米チャートでも初登場1位と、セカンドにして今は世界的に大当たり。美声とイケメンのセットなら当然……というだけではなく、こりゃグループ版フリオ・イグレシアスだわ。エリック・カルメンのヒット曲をスペイン語で歌った(8)に、そんな意向が前面に。
ガイドコメント
2004年にデビューして以来、9ヵ国でNo.1を獲得したスーパー・ポップ・グループ、イル・ディーヴォの2ndアルバム。オリジナル曲に加え、クラシック曲や、マライア・キャリー、エリック・カルメンなどのナンバーもカヴァーしている。
収録曲
[Disc 1]
01HEROE
マライア・キャリーの93年の全米No.1ヒットを、スペイン語でカヴァー。いかにもイル・ディーヴォらしく、オペラ風に熱唱しており、マライア・キャリーのヴァージョンとは一味違った魅力を醸し出している。
02ISABEL
フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレによる管弦楽曲で、「パヴァーヌ」というタイトルで親しまれているナンバーに、スペイン語の歌詞を付けてポップ・ソング化したもの。さすがに素晴らしく美しいメロディを持った作品だ。
03I BELIEVE IN YOU (JE CROIS EN TOI)
セリーヌ・ディオンとのデュエットということでも話題を提供した作品。最初は英語ではじまり、セリーヌのパートでフランス語に変わり、その後、再び英語に戻るという構成で、センチメンタルで親しみあるメロディ・ラインが大きな魅力となっている。
04UNCHAINED MELODY (SENZA CATENE)
映画『ゴースト/ニューヨークの幻』で使われたことでもおなじみのこの曲。ライチャス・ブラザーズのヴァージョンで有名だが、もともとは1950年代の映画のテーマ曲だった。ここではイタリア語で朗々と歌われ、イル・ディーヴォにピッタリの作品といえる。
05君が愛してくれるなら- SI Tレ ME AMAS -
1stアルバムに「MAMA」「君は僕のもの」という名曲を提供していた、クイズ&ジョセフ・ラロシが曲作りに参加したオリジナル。クラシカルで荘厳なムードに満ちた旋律を、イル・ディーヴォらしく朗々と歌い上げている。
06AVE MARIA
誰もが知っている賛美歌の「アヴェ・マリア」を、イル・ディーヴォが独自にアレンジして厳かに歌い上げている。これまで我々が親しんできたヴァージョンとは違うハーモニーとアレンジが、新たな感動を誘ってくれるはずだ。
07HASTA MI FINAL
O-TOWNやウエストライフなどで知られるヒットメイカーのスティーヴ・マックによる作・プロデュース作品。歌詞はスペイン語だが、サウンド面では、アイリッシュ・トラッドっぽいテイストが盛り込まれているのが特徴だ。
08ALL BY MYSELF (SOLO OTRA VEZ)
ポップ・ロック・アーティストのエリック・カルメンが、ラフマニノフに影響されて書き上げた名曲。こうしたスケール感たっぷりのバラードは、まさにイル・ディーヴォの十八番といえるだろう。非常にドラマティックな仕上がりで、絶品だ。
09EN ARANJUEZ CON TU AMOR
ロドリーゴによるクラシックの名曲「アランフェス協奏曲」のカヴァーで、ギター曲としてもおなじみのナンバー。抑揚があってスケールの大きいメロディを、いかにも彼ららしく感情豊かに表現している。
10POUR QUE TU M'AIMES ENCORE
オリジナルはセリーヌ・ディオンで、彼女がフランス語で録音した作品の中でも代表作のひとつ。前半は抑えた感じで進み、後半で一気に盛り上がるという、非常にドラマティックな構成となっている。後半のオペラっぽい熱唱が最大の聴きどころだ。
11O HOLY NIGHT
有名なクリスマス・ソングも、イル・ディーヴォが歌うと、何倍も敬虔なムードになってしまうようだ。アレンジも素晴らしく、厳かな導入部から後半の盛り上がりまで、まるで長尺の物語を聴いているような錯覚に襲われてしまう。
[Disc 2]〈DVD〉〈ライヴ・フロム・ゴタム・ホール〉
01アンブレイク・マイ・ハート (レグレサ・ア・ミ)
02MAMA
03ネッラ・ファンタジア
04パセラ
05マイ・ウェイ
06アンブレイク・マイ・ハート (レグレサ・ア・ミ) (ミュージック・ビデオ)