ミニ・レビュー
韓国の人気ヴォーカル・ユニットも日本に進出して早くも1年半、ファンが待ちに待った日本向けのファースト・アルバムが完成。全曲日本語歌詞ということで、ほかの日本のグループと差がなくなってしまった感も……。とはいえ歌唱力は抜群なので聴き応えは十分。
ガイドコメント
韓国の5人組コーラス・グループの日本における1stアルバム。アニメ『ワンピース』のエンディング曲「明日は来るから」や本国でヒットした「HUG」の日本語ヴァージョンなどを収録。実力に裏打ちされた美しいハモリは見事。
収録曲
01Introlude
1stアルバム『Heart, Mind and Soul』のオープニング・トラック。少しずつヴォリュームを上げながら収録曲を一節ずつ連ね、アルバムの世界へと引き込む。“OK! Here we go!”の掛け声で一気に幕が開かれる。
02言葉はいらない
ストレートな愛のメッセージが感情を抑えたメロディ・ラインに乗り、これ以上の言葉はいらないといった濃厚さを醸し出している。そこに少年から大人の男に成長したメンバーたちのヴォーカルが重なる、エロティシズム満点の一曲。
03明日は来るから
04Somebody To Love
ちょうどよい加減で心地よい涼しさを感じさせてくれる、夏の風を思わせるダンス・チューン。新しい恋に踏み出そうとする少年の心を歌った歌詞が、メロディによく合っていて爽やかな印象。サビから入る歌い出しで聴き手の心をぐっとつかむ。
05My Destiny
5人のヴォーカルが絶妙に絡み合い、ナチュラルにドライヴしていく構成が聴き心地抜群のバラード。「君と夢であえたらそれだけでいい、それだけでいい」と、甘美的な声で切ない思いを歌う、ファンならずとも必聴の一曲。
06HUG
韓国で大ヒットしたナンバーで、東方神起のデビュー曲の日本語ヴァージョン。ポップなメロディと彼らのキュートな歌声が融け合った最強のアイドル・ソング。聴いているだけでいつの間にか癒され、優しくなっている自分に気づく。
07Break up the shell
単なるコーラス・グループにとどまることなく、激しいダンス・ナンバーもイケル! ということを証明した一曲。荒々しさが強調されたパンチのあるサウンドと疾走感あるメロディに、自然と体が縦ノリしてしまう。
08Stay With Me Tonight
日本デビュー・シングル。サウンド・プロデュースは、平井堅など実力派アーティストを多数手がけてきた松尾潔。ただの友達だと思っていた少女にだんだん惹かれていく自分に戸惑う、少年の初々しさを歌った一曲。
09愛せない 愛したい
80年代の歌謡曲を思い出させるような、懐古的なニオイを放つノスタルジックなメロディと、友達の彼女を好きになってしまった苦悩を綴った歌詞で構成されたナンバー。痛いくらいの切なさがじんじんと心を打ってくる。
10One
壮大なメロディを伸びやかなコーラスで歌い上げる、これぞ東方神起といったコーラス・ワークが炸裂のバラード・ナンバー。オーケストラを連想させる弦楽器サウンドと美しいハーモニーが調和したサビが、印象的に残る。
11Rising Sun
扇動感あふれるブレイクビーツとアナログ・サウンドが絶妙に絡まる一曲。変調に変調を重ねたり、突然拍子を変えたりする意表をついたサウンド作りが印象的で、中毒性アリ。ユノによる巧みな日本語のラップにも注目したい。
12Eternal
東方神起得意のミディアム・テンポのバラード。美しいコーラスが、永遠の愛の誓いをよりムーディなものに演出している。特にジェジュンの透明感のある甘美的なヴォイスにやられること必至の、極上のラブ・ソング。
13Heart、Mind and Soul
Scoop On Somebodyが書き下ろしたナンバー。ピアノをバックに一人一人が丁寧に歌い上げた、優しさのあふれるバラード。いつの間にか穏やかな気持ちにさせてくれる、癒されたい人には必聴のお勧めソング。