Polaris / 音色 [CD+DVD]

ミニ・レビュー

坂田学在籍時の初期作品からスカパラの茂木欣一がセレクトしたベスト。素朴な歌心と空間を生かした音響処理とを共存させたPolarisの世界が堪能できる申し分ない選曲で、６曲のビデオ・クリップが観られるDVDとの２枚組というのも嬉しい。

ガイドコメント

CD+DVDの2枚組で贈るべスト・アルバム。ダブ・ポップの名称で日本のスロウ・ミュージックを牽引してきた彼ら。その強靭なリズムと透明な歌声との調和が、ベーシックな選曲で再確認できる。

チャート

収録曲

[Disc 1]

01季節（broadcast）

繊細で柔らかい音色のギター・リフと、ほんのりダビーなベース音が絶妙にシンクロして進む、独特の浮遊感が心地よいナンバー。ほどよい脱力感を持つヴォーカルは滑らかで美しく、ゆっくりと胸に染み込んでいく。

02深呼吸

肩ひじ張らずに音楽活動を続ける彼らのスタンスを思わせる、人間らしさにあふれた歌詞が印象的。跳ねるように鳴る、ジャジィな鍵盤音が曲を華やかに盛り上げている。サビのメロディとヴォーカルの美しさは秀逸だ。

03コスモス

優しいホーンの音色をあしらった、ゆったりしたテンポのラヴ・ソング。ダビーで低音の効いたベース音がサウンドを引き締めていて、詩的な世界を伸びやかに歌うハイ・トーンなヴォーカルとの対比が心地よい仕上りだ。

04天気図

希望に満ちた、キラキラした世界が広がる楽曲。迷いのない澄んだヴォーカルが歌う、温かい風景が目の前に浮かんでくるようだ。さざ波のような柔らかいギター・リフと、ダビーな太いベース・ラインの調和が実に見事。

05光と影

Polaris初期の名曲で、アンビエント・テイストを持つ楽曲。全体を通じて、浮遊感を持つ鍵盤楽器を効果的に響かせ、幻想的なムードを描き出している。フワフワと漂うような、柔らかいヴォーカルが美しい。

06月の恋人

イントロの口笛を思わせる鍵盤楽器の旋律が印象的な、爽やかでメロウなナンバー。みずみずしいギター・カッティングとしなやかなビートが鮮やかに交錯する。メロディの美しさと、表現力豊かなヴォーカルが心に響く。

07瞬間introduction

アルバム『音色』の次曲「瞬間」へとつながるインストゥルメンタル・チューン。浮遊する電子音とノイジーなギターが入り乱れて、幻想的なムードを醸し出している。ZAKのミックスによる、バランスのとれたサウンドは圧巻だ。

08瞬間

ライヴでもとりわけ人気を博している作品で、躍動的なバンド・サウンドが9分余りも展開されている。疾走感に溢れたプログレッシヴ・ロック調のアレンジが秀逸。終盤はレゲエ・テイストの音像に転じ、豊潤な音像を堪能できる。

09流星

華麗なストリングス・アレンジが壮大さを演出する、叙情的なナンバー。ファルセットを用いた柔らかい歌声が揺らめき、ノスタルジックな情緒を描きだしている。緻密なサウンド・プロダクションには目を見張るものが。

10檸檬

爽やかでどこか懐かしさを感じさせるヴォーカルと、優しいギターとストリングスの旋律が、軽やかなビートに乗って突き進んでいく。歌詞で描かれる夜の街の情景が、目の前に浮かんでくるような映像喚起力を持った作品だ。

11Slow Motion

ダビーなベース・ライン、しなやかなドラミングが生み出す強靭なビートと、さざ波のように響く流麗なギター・リフが鮮やかに融合したメロウなナンバー。美しさと切なさを併せ持つ、幻想的なヴォーカルが心に響く。

[Disc 2］〈DVD〉

01光と影

02季節

03天気図

04深呼吸

05檸檬

06月の恋人

アーティスト

Polaris
東京発のロック・バンド。メンバーはオオヤユウスケと柏原譲の2名で構成。2001年にミニ・アルバム『Polaris』でデビュー。圧倒的なグルーヴと音響的なサウンドで、日常を写実的に描きだしたポップスを表現し高い評価を得る。2005年より現体制……

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$[インタビュー]　文坂なの \$