MASSIVE ATTACK / COLLECTED〜STANDARD EDITION

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MASSIVE ATTACK / COLLECTED〜STANDARD EDITION
CD
ミニ・レビュー
91年のデビュー作『ブルー・ラインズ』から近作の『100TH WINDOW』まで、過去4枚のアルバムからヒット・トラックをまとめたキャリア初のベスト盤。斬新なブリストル発のトリップホップ・サウンドで時代をリードした彼らの足跡が俯瞰できる便利な一枚。新曲(14)の収録も注目。
ガイドコメント
2006年3月リリースのベスト盤。過去4枚のアルバムからのベスト選曲で、いわゆる“ブリストル・サウンド”の醍醐味が詰まった1枚に。大御所フリー・ソウル・シンガー、テリー・キャリアーを迎えた「Live With Me」も収録。
収録曲
01SAFE FROM HARM
アルバム『ブルー・ラインズ』からのシングル・カット曲。全編を通して鳴らされる印象的なベース・ラインは、ビリー・コブハムの「Stratus」。ダークなリフレインの中で、シャラ・ネルソンのヴォーカルだけが聖なる響きを放っている。
02KARMACOMA
エスニックな響きを持った独特のビートや、ホーメイを採用した神秘的なトラックが特徴。トリッキー・キッドと3Dが淡々と語りかけるようなラップが、リスナーの意識を静かに闇へと誘う。まさに業(カーマ)と昏睡(コーマ)の音像だ。
03ANGEL
名盤『メザニーン』の冒頭を飾ったマッシヴ・アタックの代表曲。粛々と時を刻むようなシンプルなドラムにホレス・アンディの美声が絡み、狂ったようにかき鳴らされる重厚なギター・サウンドが曲のテンションを高めている。
04TEARDROP
心臓の鼓動を思わせる無機質でいて生物的なビートが曲の表情を形作っている。ヴォーカルは元コクトー・ツインズのエリザベス・フレイザー。美し過ぎるメロディ・ラインとダークなトラックという、マッシヴ・アタックの黄金律が奏でられている。
05INERTIA CREEPS
インド音楽やアングロ・エイジアンからの影響もうかがえる、「哲学的」とさえいってよいアブストラクトなトラックが白眉。ラップでも歌でもない、ささやくようなヴォーカルと好相性だ。表情豊かなアンジェロ・プルシーニのギターも、曲に彩りを加えている。
06PROTECTION
アルバム『プロテクション』からのタイトル・ナンバー。エヴリシング・バット・ザ・ガールのトレイシー・ゾーンをヴォーカルとして起用している。彼女の声の影響もあって、彼らの曲の中では比較的、清涼感のある楽曲に仕上がっている。
07BUTTERFLY CAUGHT
凶暴に跳ねるビートと残響音のような異物感をたたえた上モノ。3Dの繊細なリリックとヴォーカルには、陰のかかったダブ・エフェクトが施されている。重く暗いストリングスが響きわたる、オーケストラ・エレクトロニカ。
08UNFINISHED SYMPATHY
軽妙なドラム・ラインとマハヴィシュヌ・オーケストラの厳かなサウンドが奇跡的に同居する、マジカルなトラック。シャラ・ネルソンのソウルフルなヴォーカルがさらに曲を盛り立てる。マッシヴ・アタックだけでなく、90年代音楽シーンのクラシックといえる楽曲。
09RISINGSUN
ダビーな残響がこだまするサイケデリックなトラック。3DとダディGの語りかけるような低音ヴォーカルが、曲調をより繊細でダークな方向へと導いている。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「アイ・ファウンド・ア・リーズン」が引用されている。
10WHAT YOUR SOUL SINGS
アルバム『100th Window』から。マッシヴ・アタック得意のダーク・トラック&美声ヴォーカル、フィーチャーされているのはシネイド・オコナー。伸びやかなメロディと、闇をうごめくようなトラックの組み合わせで、幻想的な曲調に仕上がっている。
11FUTURE PROOF
淡々と鳴らされるクリック音と歪んだギターとの対比が、体温を感じさせない無機質さと激しい感情を同時に垣間見るようで面白い。社会的メッセージを持ったリリックが、低音ヴォーカルによって優しくも厳かに語られていく。
12FIVE MAN ARMY
ベース・ラインやギターの裏打ちなど、レゲエの要素が大胆に盛り込まれたトラックに、ホレス・アンディの美声とダディGの語りが絡む。ルイン・ボーンズ・ロックの同名曲や、アル・グリーンのネタも取り入れられた佳曲。
13SLY
「ダウン・テンポ&ストリングス&メロディ・ライン」というマッシヴ・アタックの“黄金律”。当時まだ新進気鋭だったエレクトロニカ・ディーヴァ、ニコレットを起用し、深海をたゆたうようなムーディなトラックに仕上げている。アルバム『プロテクション』からのシングル。
14LIVE WITH ME
R&Bシンガー、テリー・キャリアーを起用した結果、『ブルー・ラインズ』『プロテクション』の頃のような、マッシヴ・アタックのソウルフルな面が表出したトラックに仕上がっている。悲しく響くストリングスが、ブルージィなヴォーカルと好相性だ。
封入特典
  • 解説・歌詞・対訳/24Pカラーブックレット
アーティスト
  • マッシヴ・アタック
    英ブリストル発のテクノ系ユニット。当初はダディ・G(グラント・マーシャル)、3D(ロバート・デル・ナジャ)を中心に結成。91年のデビュー・アルバム『ブルー・ラインズ』は、パンク精神のもとにレゲエやダブ、ファンクを新解釈で提示したとして各方面……
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