ミニ・レビュー
12週連続シングル・シリーズが完結するやいなや、それらすべてと今井大介プロデュースのイントロダクション・トラック(1)&新曲(8)をコンパイルしたベスト。連続シングルのジャケットよろしく、それぞれの曲の色彩に溶け込む彼女の天性の対応力に脱帽の60分。
ガイドコメント
2005年12月より連続リリースされたシングル12曲に新曲を追加した、2枚目のベスト・アルバム。アップ・テンポのダンス曲から艶やかなバラードまで、彼女のエロかっこ良さが100%発揮されている。初回のみボーナス・トラック付き。
収録曲
01Introduction to the second session
アルバムのイントロダクション。呪文のように繰り返される英語詞とヴォーカル、それに重なるコーラスによって、エキゾティックな世界へと誘い込まれる。民族音楽っぽい雰囲気のサウンドが、妖しげな香りを演出する。
02D.D.D. (feat.SOULHEAD)
作詞・作曲を手掛けたSOULHEADをフィーチャー。英語と日本語がリズミカルに絡み合った歌から、キャッチーなサビ、後半のラップまで、流れるような展開で違和感なく一気に聴かせる。SOULHEAD「XXX feat.倖田來未」と表裏一体となるナンバー。
03you
硬質なサウンドにストリングスとピアノが溶け合い、温かさと冷たさを両方感じさせる。それが、主人公の中に混在する“君といた時間”と“君がいない今”とをリンクし、時間が止まってしまったような雪景色を思わせる。
04Candy (feat.Mr.Blistah)
Mr.Blistahをフィーチャーした、アラビアン・テイストあふれる曲。“何でもいいわけじゃない”という歌いだしが特徴的な歌と、“アブラカタブラ”などの言葉を繰り出すラップが、魅惑的な世界へ誘う。
05Shake It Up
“Oi-Oi-Oh!”というコーラスが印象的。ダンサブルなようでいて、ほのかに切なさが漂うメロディと哀愁を帯びたギターが、しっとりした歌を聴かせる。“ため息”が入り混じったダンス・ナンバーといった趣。
06feel
ムーディーなR&Bナンバー。静かに繰り返されるギターの旋律と柔らかな音の感触が、恋人と二人だけで過ごす特別な時間を切り取ったような、贅沢なまどろみをくれる。じわじわと胸が熱くなっていく感触を捉えた曲。
07WIND
2005年12月からスタートした12週連続シングル・リリースの第11弾の29thシングル。フジテレビ系『トリノオリンピック2006中継』テーマ・ソング。夢に向かってひたむきに走るチャレンジャーたちをさわやかに称える応援歌で、シンガーとして新たな一面を発揮したナンバー。
08Love goes like…
地面を踏み鳴らすように力強いリズムが響きわたるなか、“君と私の未来”に対する期待と不安が入り混じった歌を聴かせる。“人を愛すということ”の力強さと激しさ、それと表裏一体の脆さや危うさを表現した曲。
09No Regret
せわしなく動き回る高速ビートに乗せて、譲れない思いを歌うエネルギッシュなナンバー。ストリングスがはやる気持ちを煽るように鳴り響き、シャカシャカした音像が風を切っていくようなスピード感を出している。
10Birthday Eve
彼の誕生日の前の日にドキドキしながらケーキ作りに専念する、主人公の気持ちを歌にした曲。ホーンが絡んだ、ウキウキしてくるような爽やかポップなサウンドから、主人公のハイ・テンションぶりが伝わってくるようだ。
11Lies
すれ違いはじめた恋愛を歌った曲。歯切れの良いリズムとは裏腹に、煮え切らない想いが歌われていく。ミディアム・テンポがもどかしさをいっそう引き立たせ、“見つめ直して欲しい”という言葉が虚しくもクールに響く。
12今すぐ欲しい
DJ HASEBEのサウンド・プロデュースによる、Sugar Soulのカヴァー。女性側からの“今すぐ欲しい”衝動を大胆に綴った歌詞を、大げさにならずに慎ましささえ感じさせるトラックに乗せて歌う。
13KAMEN (feat.石井竜也)
石井竜也とのデュエット曲。作詞・作曲も石井竜也。許されない恋を描いた、アダルトなラブ・ソング。うねりのあるメロディと歌声による、二人の掛け合いと湿り気を帯びたサウンドが、気だるい余韻を残していく。
14Someday
晴れやかに“また出会ったら一緒に笑いあいたい”と歌う、旅立ちのような別れを歌った曲。軽やかなストリングスから、いつか来る“笑いあえる日”への希望が感じられる。ファンキーなリズムに祝福ムードが漂う。
15A Whole New World (Koda Kumi&Peabo Bryson) (初回のみ収録)