ミニ・レビュー
米女性シンガーの4作目。ブッチ・ウォーカー、マックス・マーティンなど個性派大物プロデューサーの参加、そして弾き語りを披露するなど、曲のスタイルもこれまで以上に多彩になっているのに注目。インディゴ・ガールズらとの共演曲収録。
ガイドコメント
2006年早々に結婚して話題となったP!NKの4thアルバム。サビの部分が印象的な1stシングル「ストゥーピッド・ガールズ」をはじめ、インパクトのあるポップ/ロック・チューンが目白押しのアルバムだ。
収録曲
01STUPID GIRLS
外見ばかり気にするセレブを、世界中で起こる悲劇と照らし合わせた社会的な意識が心に強く刻み込まれたリリックで迫るナンバー。リズミカルなサウンドに乗せて、チャラチャラしたおバカな女を蹴散らす最高のアンセム!
02WHO KNEW
愛する人との別れが現実になっても、まだあなたへの愛情が残っている。あなたに触れたい、夢でもいいから会いたいという願いは、痛々しいほどの悲しみとして伝わってくる。PiNKの歌声に悲壮美さえ感じさせるナンバー。
03LONG WAY TO HAPPY
眠れる夜と愛の価値観をもらった一夜の恋。シリアスな現実を突きつけながら、幸せまでの道のりを綴った物語を激しいロック調で聴かせていく。壮大なクライマックスを迎えるサビは、凄まじい迫力だ。
04NOBODY KNOWS
過激に、自己を曝け出し歌うP!NKだが、その激しさの裏側を見ているような、しっとりとした穏やかなメロディで彩られているナンバー。誰も知らないというタイトルからは、彼女の根底に潜む繊細で傷つきやすい心が垣間見られる。
05DEAR MR.PRESIDENT
タイトルそのままに、大統領へ送るP!NKからの問いかけ。カントリー調のアコースティックなサウンドに乗せて、戦争、貧困、ホームレス、偏見という社会問題を歌う。自由と平等を掲げながらも深刻な社会問題でさいなまれるアメリカの裏側を垣間見る1曲。
06I'M NOT DEAD
繊細なアコースティック・サウンドと激しいギターのシンメトリーが、ドラマティックなメロディを生む。激しさとしっとりさを巧みに歌い分けたヴォーカルも、聴き応え充分。「死んでなんかない」と、前を見据えた力強い意志を歌ったナンバー。
07'CUZ I CAN
「あんたのルールなんか知らないし あたしはいつもアタシ流」という歌詞そのままに、真っ直ぐで挑発的なP!NKが迫ってくるナンバー。ギターとエレクトロなテイストを混ぜ合わせたサウンドは、ダンサブルな仕上がりに。
08LEAVE ME ALONE (I'M LONELY)
相手に対して恋しい気持ちを呼び起こす孤独な時間と、二人の時間でどうしても生まれる違和感との葛藤を描いた曲。「出てって、帰ってきて」という詞が印象的で、解放されたい想いをそのまま映し出したかのようなサウンドが疾走していく。
09U + UR HAND
バーで寄りつくナンパ男に「NO!」と蹴散らす、激しい歌声が響きわたるナンバー。躍動感のあるリズムと尖ったギターが激しく煽るサウンドからは、女の強さが伝わってくる。
10RUNAWAY
自由と名声をつかむために逃げ出していく情景を、優しいピアノのメロディでドラマティックに表現し展開していく、スケール感の大きな曲。「心の空にかかる虹を追いかける」という歌詞が印象的なナンバー。
11THE ONE THAT GOT AWAY
二人で過ごした一瞬の美しい残像が浮かび上がる行きずりの恋の歌。シンプルで温かみのあるアコースティックなサウンドが、儚さや切なさをストレートに伝え、心の奥底に染み込ませるナンバー。
12I GOT MONEY NOW
“世の中お金がすべて、だから愛なんていらない、ひとりぼっちで平気なの”と、一見冷めた言葉を吐き出す。淡々と刻まれるメロディのなかで、楽曲全体を冷たい感触で包んでいる。
13CONVERSATIONS WITH MY 13 YEARS OLD SELF
苦しみ、不安、憂鬱さ。そんなネガティヴな心情で砕けそうなあなたに、優しく手を差し伸べる歌。目の前の現実がすべてじゃない、そのうちすべてがうまくいくと説く歌声に、美しいピアノとストリングスの壮大なサウンドが絡み合う。
14FINGERS
満ち足りない欲望を歌う、P!NKのセクシーでスリリングな魅力を堪能できるナンバー。リズミカルなエレクトロ・サウンドに乗せて、エロティックな歌声が聴き手に牙を向けていく。
15CENTERFOLD
冒頭の激しいギター・サウンドから、息つく暇もないほどのエレクトロ・サウンドが猛スピードで駆け巡る。王道的なロックに多彩なエレクトロ・アレンジがバランスよく絡み、心地良い疾走感を生み出しているナンバー。