ガイドコメント
「ザ・リーズン」等の大ヒットをもつフーバスタンクの、前作から2年半ぶりとなる3rdアルバム。シングル「イフ・アイ・ワー・ユー」を中心に、メロディを重視した耳に残るスケールの大きなロック・サウンドが楽しめる。
収録曲
[Disc 1]
01THE RULES
ヘリコプターが飛んでいる音、軍曹が部下に命令を下しているような様子を収めた、歌も演奏もない短いイントロ。なんだか物々しいが、この雰囲気がアルバム『欲望』の次曲「ボーン・トゥ・リード」へ受け継がれていく。
02BORN TO LEAD
イントロ「ザ・ルールズ」と繋がった、アルバム『欲望』の実質的なオープニング・ナンバー。ハードなサウンドとキャッチーなメロディが共存した、フーバスタンクならではの痛快な曲だ。金属的なギター音やフレーズなど、興味深い工夫も。
03MOVING FOWARD
イントロの美しいコーラスが印象的なミディアム・ナンバー。「前進しよう」というポジティヴなメッセージを、バラード系の曲でここまでスケール大きく、また力強く表現できているあたりに、彼らの成長ぶりがうかがえる。
04INSIDE OF YOU
空間をうまく生かしたサウンドで、ギターとヴォーカルがドラムスの間を行き来する様子がとても心地よく、そしてカッコいい。特にギター・リフとヴォーカルの絡みが何ともスリリングな、ホーン入りのダイナミックな曲だ。
05THE FIRST OF ME
小気味いいギター・カッティグにヴォーカルが乗り、徐々に楽器が加わって盛り上がっていくポップなナンバー。静かにフェイド・アウトして終わるなど、余韻も心地よい。これまでになかったタイプの曲で、新境地を開いたナンバー。
06GOOD ENOUGH
静かに始まるが、しばらくして一転轟音ギターが飛び込んでくるスケールの大きい曲。とはいえ闇雲に突っ走るだけでなく、大胆さと繊細さのバランスも巧みに考えられた、ヘヴィかつメロウなモダン・ロック。
07IF I WERE YOU
オルゴールの音色から始まるメロウなバラード。そうしたオープニングもさることながら、美しいメロディや流麗なギター・ソロなどにうっとりとさせられる、アルバム『欲望』の先行シングル第1弾。
08WITHOUT A FIGHT
ツェッペリンを思い出させる部分もある、ライヴ・フィーリングいっぱいのハードなロック。シャウト気味の疾走感あるヴォーカルや唸りを上げる強烈なギター・リフが印象的で、ステージでも盛り上がりそうな曲だ。
09DON'T TELL ME
バラードとヘヴィ・ロックが合体したかのような起伏の激しいミディアム・ナンバー。大胆な試みだが、メロディはあくまでキャッチーなので全体的に違和感は感じられない。バンドの魅力が1曲で2倍味わえる曲だ。
10LOOK WHERE WE ARE
メロディの良さが味わえるキャッチーなロックンロール。スピード感があり軽快でもあるのだが、どこどなく哀愁を帯びたムードを持っているのが特徴。派手さはないが、耳に残る忘れがたい曲だ。
11SAY THE SAME
美しいメロディと美しいコーラスをじっくり聴かせる雄大なロック。ヴォーカルも楽器も、すべてが有機的に絡みあった深みのある演奏だ。じわじわと盛り上がり、曲がクライマックスになると恍惚感さえ覚える。
12IF ONLY
アイドルにカヴァーされてもおかしくないようなポップな佳曲。クリアなギター・リフや哀愁のある味わい深いヴォーカルが、感動的かつロマンティック。シングル・カット曲としてのクオリティを持ったナンバーだ。
13MORE THAN A MEMORY
7分の大作。しかも、サックス、トランペット、アコーディオンなどがフィーチャーされ、トラッドぽさや牧歌的なムードをも感じさせる。従来から考えると、大きな変化に驚かされるが、数ある代表曲のなかでも、名曲といっていい佳曲となっている。
14FINALLY AWAKE
シンプルでノリノリのロックンロール。パワフルな8ビートとキャッチーなメロディが、自然に体を揺らしてくれるライヴ向きの曲だ。ユニークな60年代風ギター・ソロなど、理屈抜きに楽しめる。
15WAITING
どっしりとしたドラムスがヴォーカルとギターを支える、奥行きのあるロック。シンプルだが、メロディもよく、サウンド的にも勢いがある爽快な曲だ。イントロとエンディングも洒落ていて、ディテールに気が配られているのもイイ。
[Disc 2]〈DVD〉〈サマーソニック04より〉
01アウト・オブ・コントロール (ライヴ)
02セイム・ディレクション (ライヴ)
03ザ・リーズン (ライヴ)
04セイム・ディレクション (ビデオ)
05クローリング・イン・ザ・ダーク (ライヴ)
06レット・イット・アウト (ライヴ)
07ザ・リーズン (UKヴァージョン)