ミニ・レビュー
2005年『ソングス・フォー・シルヴァーマン』の姉妹編としてオンラインでリリースされたアルバム。未発表ライヴを中心にジングル(9)などを収録。ジャケットも強烈だけど、ファンが大喜びしているエンタテインメント性たっぷりのピアノと歌はやはり最高だ。
ガイドコメント
2005年の『ソングス・フォー・シルバーマン』リリース時にサイトのみで販売されたスペシャル企画盤。ライヴ音源やラジオ・ジングルなど、ベン・フォールズのユーモア・センスが炸裂した1枚だ。
収録曲
01IN BETWEEN DAYS
熱狂的なファンの歓声で始まり終わるライヴ。どことなく頼りない感じだが不思議な味わいのあるヴォーカル、それと対照的に、さすがに雄弁なピアノなど、ベンらしい魅力が楽しめるエンターテインメント性ある演奏だ。
02GONE
哀愁のあるコーラスが印象的な曲。悲しい内容の歌だが、どことなくユーモラスだったり、投げやりだったり、ライヴらしい演出の巧さが光っている。会場で聴けばより感動を覚えるに違いない。
03HIRO'S SONG
タイトルにあるヒロの不思議な恋物語。歌詞もぶっ飛んでいるが、ヴォーカルやピアノのユニークさも特筆ものだ。マジなのかそうでないのか、その辺のじれったさが快感になる。いずれにしても表現力豊かなライヴだ。
04YOU TO THANK
変調やピアノが炸裂し即興ぽいスリリングな演奏に興奮させられる、実力派ぶりが伝わる曲。ライヴでしか表現できないことを知り尽くしているかのようで、巧みに射幸心を操るステージングはさすがだ。
05WEATHER CHANNEL MUSIC
ジャジィになってより自由度を増したライヴ演奏が光る。達者なジャズ・ピアノ、スキャットでファンを盛り上げ自然に手拍子させるという、演奏はもちろんのこと、エンターテイナーぶりも100%発揮。ライヴならではの醍醐味あふれる曲だ。
06EVAPORATED
ユーモラスではなくシリアスな一面をじっくりと堪能できる、ピアノの弾き語りによる感動的なライヴ。語りかけるような穏やかなヴォーカルや美しくシンプルなピアノが、説得力を持って聴き手に迫ってくる。
07THERE'S ALWAYS SOMEONE COOLER THAN YOU
変化に富んだヴォーカルやテクニカルなピアノを披露する、パワフルなライヴ・ナンバー。バックも一丸となって、スリリングで爆発寸前のような混沌とした盛り上がりも見せる。手応えのある重みを感じさせる演奏だ。
08ROCKIN' THE SUBURBS
スケールの大きい強烈なライヴ。畳み掛けるようなヴォーカルと激しいピアノ・プレイ、さらにヘヴィなラップ調、ものすごいシャウトまで聴かせる。歌詞もそうだが、過激な一面を垣間見せる興味深い演奏だ。
09RADIO JINGLES FOR TOKYO'S INTER-FM
“76.1”InterFM開局10周年記念のオリジナル・ジングル。前半ビートルズ風、後半スプリングスティーン風、といった感じの歌いっぷり。一筋縄ではいかないベンらしい、ユニークなジングルに仕上がっている。
10SIDE OF THE ROAD
「君から離れたらどんな気持ちになるだろう」と歌うルシンダ・ウィリアムス作の未発表スタジオ録音。淡々として素朴ながらも心を打つミディアム・バラードだ。優しく甘いヴォーカルに美しいピアノを聴かせてくれる。
録音
(1)〜(5)2005.1 (6)2002.6 (7)(8)2004.10