ガイドコメント
デビュー・アルバム『アップ・オール・ナイト』が本国イギリスで大ヒットを記録している4人組の2ndアルバムが早くも登場。疾走感あふれるサウンドとエモーショナルなヴォーカル、耳に残るメロディに磨きがかかった。
収録曲
01IN THE MORNING
小気味良いドラミングがまとめ上げるタイトな輪郭に、切れ味鋭いギター・ストロークが喰いかかるロックンロール・ナンバー。威風堂々と演奏する確信的なプレイ・スタイルには、彼らの自信がみなぎっている。2ndアルバム『レイザーライト』からの1stシングル曲。
02WHO NEEDS LOVE
メンバーの半分(2人)がスウェーデン出身だからか、曲全体に流れる空気はどこかUKバンドとは一線を画す穏やかさ。偏屈な失恋歌を感情豊かに歌い上げるヴォーカルは表現力抜群で、パフォーマーとしてのレベルの高さを証明する1曲だ。
03HOLD ON
すべてのパートが極めてシンプルに作り上げられているナンバー。鮮明な表現力を持ったヴォーカルで、自らに問いかけるような激励のメッセージは、あくまで自分自身を磨き上げていこうというストイックな姿勢を映し出している。
04AMERICA
透明感あふれるエレキ・ギターのきれいな旋律が響きわたるなかで、静かに詞を歌い上げていく姿は、U2を彷彿とさせる真摯さがあふれている。シンプルな弾き語りスタイルから一気にバンドのダイナミズムを見せつける構成に、圧倒的なパワーの放出を感じるナンバーだ。
05BEFORE I FALL TO PIECES
スピード感あふれるドラミングや巧みなギター・ピッキングも主張し過ぎず、ヴォーカルを盛り上げるよう専念しているところに、バンドの巧さが見て取れる。自身の絶望的な状況を歌うが、決して暗くならず、むしろ爽快な歌声を披露する姿に好感が持てる1曲。
06I CAN'T STOP THIS FEELING I'VE GOT
静かなドラミングが強調するのは、重々しく鳴り響くギター。歌詞そのままに思い悩みながら歌っているようなヴォーカルは、説得性十分。その歌声にリンクするかのような感情を表現する演奏に、彼らの実力を感じるナンバー。
07POP SONG 2006
「ポップ・ソング」というタイトルながら、聴こえてくるのはトラディショナルなロックンロール。シンプルな構成だが、実力派揃いのメンバーによる演奏だけに聴きごたえは十分だ。息のあったプレイが放つ迫力に、目を見張るナンバー。
08KIRBY'S HOUSE
哀愁を背負ったヴォーカルが、感傷にひれ伏した男の気持ちを見事に歌い上げる。どこか息の抜けたギターの肌触りは優しくのどかで、逆説的に曲のメッセージを浮き彫りにしていく。役どころを心得たリズム隊のプレイにもセンスが感じられるナンバー。
09BACK TO THE START
メリハリの効いた鋭い音使いが切迫感を作りあげ、追い詰められた男がテーマの楽曲を演出する。緩急をつけた曲構成といい、無駄のない曲展開といい、名プロデューサー、クリス・トーマスの実力を改めて思い知らされるナンバーだ。
10LOS ANGELES WALTZ
2ndアルバム『レイザーライト』の最終曲にふさわしい、魅力がいっぱいに詰め込まれているナンバー。キレイな響きを聴かせるギター、メリハリのついたリズム隊、真摯に歌い上げる表現力豊かなヴォーカル。どれをとっても一流のロック・バンドたる見事な出来栄えだ。
仕様
エンハンストCD内容:サムウェア・エルス (ビデオ)〜イン・ザ・モーニング (ビデオ)〜サマー・タイム・ブルースfeat.ロジャー・ダルトリー (ライヴ・ビデオ)