ガイドコメント
エリック・クラプトンがクリーム解散後、ブラインド・フェイスを経て結成したデレク・アンド・ドミノス唯一のスタジオ録音アルバム。タイトル曲「いとしのレイラ」をはじめ、渾身の名曲がズラリ揃った歴史的名盤。
収録曲
01I LOOKED AWAY
ボビー・ホイットロックとの共作曲。クラプトンの穏やかなヴォーカルとギターをフィーチャーしたラブ・バラード。ホイットロックのオルガンとサイド・ヴォーカルが主役をサポートしている。ジム・ゴードンとカール・レイドルのタイトなリズム・セクションも光る。
02BELL BOTTOM BLUES
クラプトンのロマンティックなオリジナル・ブルース曲。鐘の音のように響くハーモニクスと繊細なギター・ソロをフィーチャーしたものだが、エモーショナルなヴォーカルも素晴らしい。ライヴで演奏される機会は少ないが、ファンの間では人気の高い曲のひとつ。
03KEEP ON GROWING
ボビー・ホイットロックとの共作曲。賑やかなコーラスをフィーチャーし、ラテン調のリズムを基調にしたポジティヴなサウンドはデラニー&ボニーを連想させる。初期では最も陽気な曲のひとつで、多重録音によるクラプトンのワンマン・ギター・バトルも楽しい。
04NOBODY KNOWS YOU (WHEN YOU'RE DOWN AND OUT)
現在でも重要なレパートリーのひとつであるジミー・コックス作のスロー・ブルース。クラプトンのもの悲しいヴォーカルに絡むデュアン・オールマンのスライド・ギターが秀逸。クラプトンの歌心あふれるギター・ソロも素晴らしい。地味だが渋い名演のひとつ。
05I AM YOURS
タブラ・ドラムを配したアンプラグドなサウンドが美しいラブ・バラード。お気に入りの詩集『レイラとマジュヌンの物語』から引用した歌詞を丁寧に歌うクラプトンが可愛い。デュアン“スカイドッグ”オールマンのスライド・ギター・ソロがフィーチャーされている。
06ANYDAY
ボビー・ホイットロックとの共作曲。多重録音された分厚いギター・サウンドをバックに、クラプトンとホイットロックがヴォーカルをシェアし、失われた愛について歌っている。デュアン・オールマンのギター・ソロがフィーチャーされている曲のひとつ。
07KEY TO THE HIGHWAY
1970年10月24日、ニューヨークのフィルモア・イーストでのライヴ録音。フェイド・インから始まるブルース・セッションの名演。クラプトンのギターとデュアン・オールマンのスライド・ギターがソロを分け合い、互いに絡み合い、さらに見事なインタープレイも披露する。
08TELL THE TRUTH
ボビー・ホイットロックとの共作曲。ヴォーカルもホイットロックと分け合い、クラプトンも力強い歌声を聴かせてくれる。強靭なリズム・セクションが先導するサウンドもパワフル。デュアン・オールマンとのツイン・スライド・ギターがたっぷりと堪能できる。
09WHY DOES LOVE GOT TO BE SO SAD
ボビー・ホイットロックとの共作曲。初期の代表作のひとつでもあるアップ・テンポのロック・チューン。クラプトンの気合いを感じさせるパワフルなヴォーカルが聴ける。ギター・ソロはデュアン・オールマンのレスポールが中心だが、クラプトンのストラトも絡む。
10HAVE YOU EVER LOVED A WOMAN?
親友の妻を愛してしまったクラプトンのためにあるようなブルース・ナンバー。異様なまでに生々しいヴォーカルとギター・ソロは名盤『いとしのレイラ』の中でも白眉。デュアン・オールマンの奔放なスライド・ギターもここではあくまでも脇役に徹している。
11LITTLE WING
畏友ジミ・ヘンドリックスの死の9日前に録音されたカヴァー。このバラードの名曲をクラプトンはジミのリリカルなオリジナルよりもパワフルなバンド・サウンドでリメイクし、デュアン・オールマンのエモーショナルなギター・ソロをフィーチャーしている。
12IT'S TOO LATE
故チャック・ウィリスが遺したR&Bの名曲をカヴァー。米国では有名なこの失恋の歌をクラプトンは自らの感情を吐き出すように歌い、相棒のボビー・ホイットロックが力強くサポート。デュアン・オールマンのスライド・ギター・ソロがフィーチャーされている。
13LAYLA
14THORN TREE IN THE GARDEN
アコースティック・ギターをフィーチャーした穏やかなサウンドをバックに、名盤『いとしのレイラ』で主人公クラプトンのパートナーを務めた名脇役ボビー・ホイットロックが歌うラブ・バラード。つわものどもの夢の跡、というニュアンスの、余韻のような1曲。