ガイドコメント
スウェーデン出身で、メロディメイカーやプロデューサー、リミキサーなど幅広く活躍するラスマス・フェーバー。日本でも信奉者の多い彼の全シングルほか、代表曲を収めたベスト的アルバム。
収録曲
01EVER AFTER
サンバ調のリズムが楽しいリズミカルなナンバー。アコースティック・ギターやホーンが色彩を豊かにし、また、子供のように透明感のある女性ヴォーカルが、瑞々しさを加えている。純粋に楽しめる作品だ。
02GET OVER HERE
ホーンによるメリハリのきいたダイナミズムなサウンドが爽快なナンバー。ファンキーなエレキ・ギターや、ジャジィなピアノなどさまざまな要素を違和感なく融合させる技には感服だ。メロの力強いヴォーカルも深いインパクトを残す。
03THE RAIN
ファンキーに味付けされたホーンやギターが愉快なブギー・ソウル・ナンバー。力強くスピード感あるシャーリーン・ヘクターのヴォーカルに引っ張られ、爽やかな夏の風を思わせる作品に仕上がった。
04DIVIDED/ UNITED
ムード満天のジャズ・ピアノが美しい。そこに軽快なビートを掛け合わせるという、一見無謀な試みを見事に成功させ、奥行きのあるドラマ性あふれる作風に仕上げている。こんな奇抜なアイディアをも具体化してしまう彼の凄みが味わえるナンバー。
05FELICIDAD
軽快なドラム・サウンドとグルーヴィなシンセサイザーが奏でる、ノリノリなナンバー。爽やかな女性ヴォーカルが楽しげなムードを作り出し、全編を覆うファンキーなギター音も味わい深い。
06NEVER FELT SO FLY
ラスマスの代表的なヒット作。ブルージィでソウルフルでありながら、オーソドックスなポップ・ナンバーでもある。メロの突き抜けていくようなヴォーカルも「巧い!」と唸らせるものがある。
07FREE
ラテン調のパーカッションが、情熱的な女性ヴォーカルと絶妙なマッチを見せるナンバー。アコースティック・ギターやピアノにも細かい工夫が施され、展開の面白さとともに抜け目のない性格がうかがえる。ニー・ディープとの共作。
08COME WITH ME
繊細なギターとビッグ・スケールのチェロとの対照的な響きが、世界観を広げる効果を生み出している。ファンキーな変則ビートやダブ的な要素を採り込んでいるのも印象的で、ラスマスのアイディアの豊富さを物語っている作品だ。
09AVAILABLE
ファンキーなベースに軽快なドラム・マシーン、それに壮大なチェロ。それらがこんなにも綺麗に融合するとは驚かされる。ハイ・トーンなリンのヴォーカルも映える、タイトル通り、ラスマス・マジックを可能にさせるナンバーだ。
10ALL FOR THE BEST
盟友・メロをヴォーカルにフィーチャーしたハウス・ミュージック。囁くようなヴォーカルは、女性ならではの優しさと慈悲性を感じさせる。軽快なビートとの対比によりそれをよりいっそう浮き彫りにさせることに成功したナンバー。
11VASILANDO
ノリノリのドラムに控えめにループするピアノが加わり、さらに熱いホーンが入っていく。次第に厚みを増す展開は予断を許さない。語りかけるようなヴォーカルは、いつまでも耳に残って余韻に浸れる魅力があり、聴く者を圧倒するパワーに満ちている。
12DOING THINGS
ヴォーカルやパーカッションがキューバ音楽を思わせる風変わりな楽曲。メンバー全員が一丸となってこちらに押し寄せてくるかのような迫力を、上手く音の中に封じ込めている。ラスマスの多才さが垣間見られる1曲だ。
13ALL THIS LOVE
以前はジャズ・ピアニストだったというだけあって、このヴォーカル・ハウス曲の中でもピアノが絶大な存在感を放っている。その繊細なピアノが、時に熱く、時に悲しげなヴォーカルの表情を浮き上がらせ、感情豊かな作品に仕上げている。