2ステップの進化形と形容すべき高品質なトラックとキラキラした光を放つメロディの融合。アルバム『unaffected』全体のコンセプトを端的に示したようなナンバー。メロディックなフロウをクールに決めるLISAのヴォーカルも激しく魅力的。

中林芽依をフィーチャーしたダンス・チューン。ハウスとドラムンベースの“おいしいところ取り”という手触りのサウンド・メイクは、Ajapaiの真骨頂。明るい未来を信じて歩いていこう！ というメッセージを感じさせるリリックも気持ちいい。

豪快かつダイナミックなR＆Bモードをたたえたトラック（ほんのりとラテン・フレイヴァー）がとにかく最高。凄まじい迫力のサウンドをがっちり受け止めながら、セクシーかつノスタルジックなヴォーカルを放つ酒井雄二（ゴスペラーズ）も素晴らしい。

テクノ〜2ステップ〜ボサ・ノヴァの境界線を軽やかに行き来する、しなやかに洗練されたエレクトロ・ミュージック。フィリー・ソウル系のストリングスと三浦大知の声が有機的に絡み合いながら、楽曲に美しい陰影を作り出している。

宇宙空間をゆらゆらと漂っているような感覚に包まれる音像から、ボッサ系のラウンジ・ミュージックへとステップ・イン。そのあともあっと驚くような展開が……。Ajapaiの自由な感性と研ぎ澄まされたテクニックを堪能できるインスト・ナンバー。

ヒップホップ／R＆Bをベースにした強靭なダンス・ビートのなかで、RINOが濃密なセクシャリティを感じさせるヴォーカルを描き出す。下半身をダイレクトにゆさぶるグルーヴと美しいメロディが同居したナンバー。

ヴォーカリストに岡村靖幸をフィーチャー。大いなる煩悩と力強いファンクネスを同時に体感させてくれる岡村の声が、エッジの立ちまくった2ステップ・サウンドのなかでステップを踏みまくる。ダンスの快楽と“歌もの”としての求心力を兼ね備えた名曲。

調子いいことばかり言って、結局は何も実現させることができず、グダグダの空気に巻き込まれる……。そんな現実にNOを突きつけるヒップホップ・チューン。ユーモアたっぷり、どこか脱力気味のトラック・メイクがステキ。

スウィート＆スムースなメロディと肉感的なヴァイブレーションを映し出したサウンドがひとつになった、英語詞のソウル・ポップ・ナンバー。歌を聴かせることに心を注ぎながらも、トラックでもしっかりと主張する、そのバランス感覚が見事。

“セクシー・バディーなオネーサン”を本能的に目で追ってしまい、頭のなかはエッチなことばかり。男という生き物のかわいい本性（？）をテーマにした、ゴリゴリ＆キュートなヒップホップ・チューン。VERBALのラップのキレも絶好調！

体操の時間を想起させるようなホイッスルでスタートする、バッキバッキのダンス・チューン。音響的なトライアルを施しつつも、豪快なホーンと爆発的なノリを持つドラムをループさせ、最終的にはきっちりと躍らせてくれる。

ヴォーカルに岡村靖幸をフィーチャー。ハウス・ミュージックのキラキラ感とドラムンベースのダンス感が炸裂するトラックのうえで、“ダンスフロアに連れてってよ”というナンバー。日本のポップ・ミュージックがたどり着いたひとつの高み、と言いたいほどの完成度だ。

シンガーRINOの魅力をしっかりと引き出すことに成功した、ミディアム・バラード。トラックの音数をギリギリまで抑えることで、メロディが放つ艶やかでメランコリックな空気をたっぷりと広げる。Ajapaiのアレンジ・センスがうかがえる1曲。