ミニ・レビュー
兄弟フォーク・デュオの8枚目のシングル。大人びた面差しで人生を惑う(1)はぐっと骨っぽく哲学的。むやみに構えることなく誠実に歌い上げる二人のスタイルが、楽曲の深遠なテーマを明るい方向へと導いている。定番カヴァー曲は、当のユーミン以上にドラマティックで叙情的。
ガイドコメント
平川地一丁目の8thシングル。「運命の向こう」は、兄・龍之介が捉える人生観や運命観が一切無駄な言葉なく表現されている秀作。カップリングの「悪魔の片思い」は、思春期特有の恋の悩み満載のコミカルな曲。
収録曲
01運命の向こう
テレビ朝日系ドラマ『てるてるあした』主題歌。混沌とした内情と向き合い苦悩する姿を、誠実に表現した意欲作。青年期の偽悪性を垣間見せつつも、人としての優しさや懐の深さを思いやるスタイルを貫いている。
02悪魔の片想い
ダウナーなリズムには不敵な歌詞やパーカッションやテナー・サックスのアレンジが新鮮なナンバー。悪魔な僕と歌っておきながらも、コミカルな落ちをつけてしまうのは照れ隠しか? ふたりの初々しさが感じられる異色作。
03花紀行
原曲は、荒井由実が75年にリリースしたアルバム『COBALT HOUR』に収録のナンバー。ユーミンが描いた叙情性を、大人の男へと成長を続ける直次郎が、さらに優しく歌い上げる。2006年リリース・シングル曲。