ミニ・レビュー
デビュー10周年を迎えた3ピース。今作は、踊れるロックという彼らのポリシーを120%表現した、ラジカルだけどどこかキュートなポップ・ソング。何気ない記憶のひとかけらをパノラマ写真のごとくビビットに拡大させ、濃い叙情性を引き出すテクニックはいつ聴いても素晴らしい!
ガイドコメント
タイトル曲、「33(サーティースリー)」とは、ヴォーカリストの和田唱のジーンズのサイズ(インチ)を意味しているのだとか。トライセラらしい軽さを持ったロック・サウンドが実に爽快。
収録曲
0133
かつての彼女に勧められて買ったジーンズをはいて、新しいジーンズを買いに行く……。たったこれだけの事実の中に、さまざまな葛藤と感情と背景が詰め込まれた物語性豊かなロックンロール・ナンバー。ヴォーカル・和田唱の表現力を知らしめる1曲だ。
02ハンマー
この3ピースには珍しい、超ガチンコな作風の異色作。勝負師の強さと興奮を、重厚感たっぷりに響くギター・リフで表現。小気味良いリズムのリフレインと“俺ではなく僕”と言ってしまうあたり、彼らのナイーヴさがにじみ出ている。
03SOMEONE IN THE DARK
マイケル・ジャクソンが映画『E.T.』の原案を素に手掛けたレア・トラックのカヴァー。原曲のイメージを壊さずに、透明感のある落ち着いた良質なポップスとして歌い上げ、ヴォーカル・和田のしっとりとした歌声が新鮮に聴こえるナンバー。