ミニ・レビュー
英三人組ロック・バンドの4作目。ファンキーなダンス・ナンバー、バラード、ウェスタンなど、変化に富んだ内容。またアルバムとしての完成度を感じさせることなど、いろんな点で人気に比例したさらなる成長、オリジナリティを感じさせる演奏だ。
ガイドコメント
ミューズを超えるのはミューズのみ。約3年ぶりとなる通算4枚目のアルバム。プロデュースは、大ヒットした前作『アブソルーション』同様にリッチ・コスティが担当。メタリカルなサウンドと幽玄なヴォーカルで壮大な世界観を作りだしている。
収録曲
01TAKE A BOW
メジャー移籍第1弾アルバム『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』のオープニング・ナンバー。次第に盛り上がっていくスペイシーでスケールの大きい演奏で、伸びやかなヴォーカルが彼らの成長を感じさせる。
02STARLIGHT
ピアノによるイントロダクションが印象的なポップ・ナンバー。アルバム『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』の多様性を示した1曲で、ファルセットも交えたエモーショナルなヴォーカルにうっとりさせられる。
03SUPERMASSIVE BLACK HOLE
得意のファルセットを全編で聴かせる、P-ファンク風な要素も詰め込んだファンキーなダンス・ミュージック。じわじわと体や頭が覚醒していくようなサウンド&コーラスなので、ライヴでは踊りながら気持ちが昂揚していきそう。
04MAP OF THE PROBLEMATIQUE
パワフルなギターのカッティングでスタートするロック・ナンバー。天上に向けて歌われるような清らかでさえあるヴォーカルやコーラス、そして、少し混沌とした間奏が印象的。バンドの勢いを感じさせてくれる演奏だ。
05SOLDIER'S POEM
アコースティック・ギターをフィーチャーしたバラード。メロウなヴォーカルにクイーンを想起させる緻密なコーラスが心地良く、まるで子守歌のよう。アルバム『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』では、最もシンプルで、しんみりとしたナンバー。
06INVINCIBLE
鼓笛隊風のサウンドをバックにしたミディアム・ナンバー。しっとりとじっくり歌い上げていく感動的な曲で、独特で工夫されているドラマティックな間奏がクライマックスとなっている。
07ASSASSIN
たたみかけるようなギター・リフに重いドラムスなど、メタル的な要素も感じられるヘヴィなロック・ナンバー。メッセージ性のある歌詞にぴったりとマッチしたサウンドは、かなり深い興味をそそられるはずだ。
08EXO - POLITICS
艶があって表情豊かなヴォーカルが聴きものの、ダイナミックなロック・ナンバー。あふれ出す躍動感とロマンティックさがバランス良く溶け合った演奏で、メロディアスなギター・ソロも良く映えている。
09CITY OF DELUSION
スパニッシュ風のアコースティック・ギターでスタートする、ストリングス、管楽器などもフィーチャーされた哀愁を帯びたナンバー。実に起伏があり、工夫の凝らされたアレンジが出色の、音楽性の広がりを感じる演奏だ。
10HOODOO
後の展開の予想ができないほどユニークなイントロで始まるスロー・ナンバー。中間あたりで一度盛り上がるが、基本的にはささやくようなヴォーカルとシンプルなサウンドで構成されたしんみりとした曲だ。
11KNIGHTS OF CYDONIA
力強いイントロが印象的なアルバム『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』のラスト・ナンバー。全体の構成も変化に富んだスケールの大きい演奏で、西部劇の雰囲気やクイーン風など、さまざまな音楽性が交錯する、勇気が湧いてくる曲だ。
12GLORIOUS
アルバム『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』に収録のボーナス・トラック。官能的なヴォーカルやぐるぐる回転しながら高みに登っていくような感覚を覚えるギターなど、興味深い演奏も聴きどころだ。スリリングで活気に満ちているナンバーだ。