ミニ・レビュー
青森県八戸市出身のシンガーで、これがファースト・アルバム。レゲエやダンスホール、ファンクなどのサウンドに乗せて、独特のブルージィな声でラップし歌うというスタイル。とにかくパワフルに押しまくるヴォーカルと、等身大のリアルな歌詞が新鮮だ。
ガイドコメント
タカチャの1stアルバム。「ソノサキニ」「nayamy」やCMソングにも使われた「Riding in You」といったシングルに、インディーズ時代に話題を呼んだ「田舎」の2006年ヴァージョンも収録した、タカチャの集大成だ。
収録曲
01〜はじまり〜
八戸出身のレゲエ・シンガーによる、メジャー・デビュー作『I〓[ハート]田舎』のオープニング曲。たった18秒のア・カペラ・ナンバーだが、アルバム全体のテーマを感じさせるような、温かくポジティヴな雰囲気に包まれている。
02ソノサキニ
ポジティヴな中にも、ほんわかとした温かさが感じられるレゲエ・チューン。鳶職として生計を立てつつデビューにこぎ着けた、自身が歩んできた地道な努力をなぞるかのような歌詞に勇気づけられる。
03Rinding in You
清涼飲料水のCMに使用されタカチャの名を全国区に押し上げた、レゲエをベースとしたポップ・ソング。キャッチーなメロディ・ラインと矢継ぎ早に繰り出されるリリックのバランスが絶妙。生まれ持った音楽センスの高さを感じさせる。
04真っ白 My Way (feat.King Chang)
キャッチーなサビが耳に残る、レゲエを下敷きにしたポップ・ナンバー。ラガ・フレイヴァーをふんだんに盛り込みつつ、聴き手を選ばないようポップな味付けを施すプロ意識はさすが。音楽的素養の高さが感じられる。
05MOVIN!!
カラフルなカリビアン・ビートに素朴なラップをミックスした、サマー・ポップ・チューン。タカチャの親しみがわくような歌詞と独特なイントネーションが、耳について離れなくなる魔力を持つ。
06〜浜辺から〜
爽やかな波の音とサーフ・ミュージック風のアコースティック・ギターで始まる、台詞混じりのインタールード。アルバム『I〓[ハート]田舎』のリラックスした雰囲気を保ちつつ、アルバムの前後をつなぐ重要な役割を果たしている。
07海見て...
波の音を効果的にサンプリングした、夏の海に似合いそうなレゲエ・チューン。レゲエのリズムとポジティヴでピースフルな歌詞が、聴き手をリラックスさせてくれる。この曲を聴けば、小さな悩みなど簡単に吹き飛んでしまうだろう。
08Oyoggytiner
シンセサイザーの音色で幕が開ける、夏の海が放つ開放的なイメージを表現した、ラガ・フレイバーたっぷりのポップ・ナンバー。男子なら誰もが体験したであろう、ありがちな失敗談を盛り込んだ歌詞が面白い。
09らしく (feat.King Chang、サウンドランド)
強めの打ち込みと低音ヴォーカルが特徴的なレゲエ・チューン。曲の中で幾度となく繰り返される「自分らしく」というフレーズに勇気づけられる。日々の生活に疲れた時に聴きたい、すべての人に送る応援歌。
10on da groove
グルーヴィなリズムに思わず腰も動く、フロア向けの本格的レゲエ・ナンバー。最初から最後までアッパーに攻め続けるこの曲を頭を空っぽにして聴きながら、身体が求めるままに踊り続けたい。
11nayamy
レゲエをベースにしつつ、ケツメイシやリップ・スライムにも通じるポップさを加えた、“タカチャ風レゲエ・ポップ”。オリジナリティにあふれたメロディとポジティヴな歌詞が、聴き手の心にスッと入り込んでくる。
12雨ニモ...風ニモ...
陽気なスカのビートに乗ったカリプソ・ナンバー。かけ声と民俗楽器を使ったパーカッションなどにぎやかなサウンドをバックに、ラップを交えながら、“人生、まず人のために”と声高らかに語りかけている。
13穴だらけ
ロック風のギター・サウンドとレゲエのリズムが絶妙のバランスで混ざり合った、極上のポップ・ナンバー。力強くも優しいタカチャのヴォーカルと人生の辛酸と喜びを綴った歌詞が、聴き手の心を勇気づけてくれる。
14〜Live in タカチャ 6〜
タカチャ一人の手によって作り上げられたインタールード。力強いハミング・ヴォーカルと幻想的な電子音が、これまでのアルバムの雰囲気を引き継ぎながら、アルバム『I〓[ハート]田舎』での次曲「letter」へバトンを渡す役目をキッチリ果たしている。
15letter
“読んでくれるかな?”というタカチャの語りで始まる、少しの切なさと大きな歓びが込められたレゲエ・チューン。人生を一変させるような恋愛に出会った気持ちを、手紙にしたためるように綴った歌詞に素直に共感できる。
16田舎H18
インディ時代、タカチャの名を広めるきっかけとなったレゲエ・チューンの2006年ヴァージョン。メロウからアッパーまでを使い分ける個性的なメロディ・ラインとポジティヴな歌詞が光る、彼の魅力の原点ともいえる楽曲。