ミニ・レビュー
hiroの別名義プロジェクト第2弾。前作はジャズ中心だったが、今回はボサ・ノヴァ、サンバ、AORなどグルーヴィなアプローチがメインで、夏らしく爽快な仕上がり。彼女は確かな歌唱力で、艶やかさとキュートさが入り混じったようなヴォーカルを聴かせている。
ガイドコメント
元SPEEDのhiroによるジャズ・プロジェクトの2ndアルバム。今作はボサ・ノヴァやラテン・ナンバーを中心に、生バンド編成とクラブ風トラックをバランス良くコンパイル。彼女のアダルトな歌を堪能できる。
収録曲
[Disc 1]
01この素晴しき世界
ルイ・アームストロングの名曲をブラジリアン・テイストあふれるアレンジで軽やかに聴かせる。ラテン・フレーバーとプログラミングによる現代的なサウンドが爽やかに溶け合い、リラックスしたムードを作り出す。
02ララは愛の言葉
中塚武プロデュースによる、ザ・デルフォニックスのカヴァー。ボサ・ノヴァ調のリズムをストリングスやフルートが華やかに彩ったサウンドが、眩しいくらいにカラフル。幸福感が漂うコーラスにうっとりさせられる。
03アイ!・コシータ・リンダ- AY! COSITA LINDA (MERノCUMBE) -
ナット・キング・コールも歌った、ラテンのスタンダード・ナンバー。スペイン語で歌われるキュートなヴォーカルが印象的。可愛らしいアレンジが心をくすぐり、親しみやすいコーラスに乗って踊りだしたくなる。
04バイ・ザ・ウェイ
レッド・ホット・チリ・ペッパーズをサンバにアレンジ。ファンタスティック・プラスティック・マシーンの田中知之によるプロデュースで、大胆なアイディアをさらりと聴かせる。肩の力の抜けたヴォーカルが心地良い。
05タイム・アフター・タイム
フランク・シナトラも歌った、ジャズのスタンダード・ナンバー。ささやかなギターとともに、囁くようにしっとりと聴かせる。ヴァイオリンの旋律が贅沢なひとときをくれる。フライド・プライドがプロデュース。
06トゥー・オブ・アス
鈴木明男プロデュースによる、スタンダード・ナンバーのカヴァー。鍵盤のまろやかな響きが印象的なサウンドに乗せて、ふわふわと舞い踊るように歌い上げる。サックスがアクセントとなって全体の空気を引き締める。
07遙かなる影
カーペンターズのヒット曲をジャジィなアレンジでカヴァー。プロデュースはソウル・ボッサ・トリオのゴンザレス鈴木。少し気だるそうに歌うヴォーカルが大人っぽい。清々しい風がそっと吹き抜けていくような印象。
08イージー
オリジナルはアル・ジャロウ。軽快なサンバのリズムに乗って、“easy, easy”というキャッチーなコーラスとともに、世界が開けていくような明るいナンバー。間奏では、hiroの即興のような歌が聴ける。
09恋のサヴァイヴァル
コールドフィートがプロデュースした、グロリア・ゲイナーのカヴァー。ラテンの香り漂うハウス・ミュージックに、金原千恵子によるヴァイオリンが哀愁を加味していく。ダンサブルなビートが切なさを引き立てていく。
10やさしく歌って
カジュアルなジャズ・フィーリングが感じられる、ロバータ・フラックのカヴァー。プロデュースは福富幸宏。ピアノやサックスなどの演奏が、大人の余裕を漂わせながら、ヴォーカルをそっと見守っているかのようだ。
11ホーダ
エリス・レジーナの歌唱で知られるブラジリアン・ポップのカヴァー。スクラッチを採り入れたヒップホップ風味のアレンジが新鮮。ポルトガル語の歌詞を流れるように歌い上げる。Saigenjiがギターで参加。
12イズ・イット・ユー
リー・リトナーのヒット曲をカヴァー。プロデュースは鈴木明男。風通しの良いパーカッションのリズムに乗って、恋がはじまる予感にドキドキしている気持ちを歌う。“Is It You?”というフレーズが印象的。
13カーニバル
鈴木明男プロデュースによる、サンタナのカヴァー。ラテン全開のアレンジで、ダブル・パーカッションが叩き出すリズムに今すぐ踊り出したくなる。ポルトガル語の歌詞も、歌い慣れた雰囲気で親しみやすく聴かせる。
14ワン・ラヴ/ピープル・ゲット・レディ
NAHKIを迎えて、ボブ・マーリィ&ザ・ウェイラーズのヒット曲をカヴァー。存在感のあるNAHKIのライムとともに、ポジティヴなパワーに満ちた歌を聴かせる。聴く者の心を一つにするレゲエの力を感じる。
[Disc 2]〈DVD〉
01この素晴しき世界 (ミュージック・クリップ)
02タイム・アフター・タイム (ミュージック・クリップ)
03オフショット