ガイドコメント
2004年に日本デビューを果たしたタイのスーパースター、タタ・ヤンの『I BELIEVE』から1年9ヵ月ぶりとなる2枚目の英語詞アルバム。ポップからダンス、バラードまで幅広いサウンドとキュートなヴォーカルが聴ける。
収録曲
01エルニーニョ
乾いたスネアの一打一打にセクシーなヴォーカルががっぷり四つで絡み合う、ファンキーなナンバー。アコースティック・ギターのテクニカルなコード・ワークとヒップホップ調のヴォーカルが、なんともパワフルだ。
02バック・アウタ・ディス
エフェクトを駆使したテクノ風のバック・トラックに乗せて、オトナの雰囲気でじっくり聴かせるR&Bナンバー。よく聴かないと分からない、アコースティック・ピアノのリフやシンセのオブリガードなど、細かい仕掛けも聴き逃せない。
03アイ・ウォント・サム・オブ・ザット
ヘヴィなバック・ビートを強く押し出したリズム・トラックをバックに、大人の女性としての色気や強さをヴォーカルで表現した骨太のR&Bナンバー。多重録音を施した本人によるコーラス・ワークが美しい1曲だ。
04カム・レイン・カム・シャイン
ジャズ・スタンダードからタイトルを拝借した(?)、ドライヴ感たっぷりの爽やかなポップ・ナンバー。軽快な16ビートと美しいアコースティック・ピアノのコードを背景に、彼女の透明感あふれるヴォーカルが絡むアレンジが絶妙。青空のように清々しいナンバーだ。
05オッ・オー
ニューヨークの裏道を歩いているような錯覚さえしてしまう、本場仕込みのヒップホップ・ナンバー。小バカにしたような口笛から始まるイントロに導かれ、ブラックなライムとコーラスが登場。あまりのクロさに、黒人世界へ一気にトリップ。
06ベッチャ・ネヴァ
インドの民族楽器を多種使用したパーカッシヴでソウルフルなリズム・パターンや、不吉な雰囲気を醸し出すストリングス。アナログとデジタルが見事に融合した、ブラック・テイストあふれるR&Bナンバー。感情の起伏をたっぷりと表現する、彼女のヴォーカルにも要注目だ。
07ズーム
4つ打ちのバスドラとファンキーなベース・ラインがカッコイイ、ハウス風のブラック・テイスト・ナンバー。インド音階を駆使したギターのオブリガードが、しっかりアクセントとして効いている。ささやくようでありながらも、力強いパッションを感じさせるヴォーカル力には脱帽だ。
08フォー・ユー・アイ・ウィル
美しいアコースティック・ピアノとシンプルなギターのコード・ワークをバックに、オーソドックスに歌い上げるメロディアスなバラード。愛する男性に向けて熱烈な愛の言葉を贈る、恋する女性が必聴の1曲だ。
09アイ・マスト・ノット・チェイス・ザ・ボーイズ
8ビートを淡々と刻むドラムのみをバックに、自立した女性の強い感情を力強く歌い上げている。サビに入ってからは、シンセ・サウンドもヴォーカルをしっかりサポート。現状に満足せず、前を向いて歩き続ける女性の思いを、大胆に表現している。
10アイ・ゲス・アイ・ネヴァー・ニュー・マイ・ベイビー
シンプルで美しいコード・ワークを奏でるアコースティック・ギターのストロークをバックに、別れた男への思いを素直に語る女性を描いた、メロディアスなナンバー。壮大なオーケストレーションによって、スケールの大きな楽曲に仕上がっている。
11スーパーヒプノティック
重くブラックなビートがドッシリと刻まれるトラックの上で、メロディと感情を極力抑えた、淡々とした口調で歌詞を紡いでいくヒップホップ・ナンバー。男性を挑発的に誘い出す、セクシーなヴォーカルがなんとも魅力的だ。
12ミラ・ミラ
彼女のルーツであるタイの伝統的なスケールを駆使したオブリガードが異国情緒をたっぷりと感じさせる、エスニックなポップ・ナンバー。さまざまなリズムが幾重にも折り重なり、複雑でありながら豊かなビートを醸成している。