ミニ・レビュー
圧倒的なパワー、そしてポップ・センス。一筋縄じゃない曲の構成。10-FEETってこんなにいいバンドだったっけ? とすっかり驚愕。4枚目のアルバムにして、ついに皮が剥けた? 体力と知力、どっちもあったほうがいいに決まってるってロック。素晴らしすぎる!★
ガイドコメント
2006年8月発表の4thアルバム。メタルやレゲエなどのエッセンスを採り入れた「ライオン」や王道パンク・チューン「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」など、進化を続ける彼らの勢いに満ちた力作。
収録曲
01NO WAY
ルーズなギターと疾走感のあるサビの対比が、何もやる気が出ない気怠く甘ったれた心境と、そこから沸き起こる怒りにも似た気持ちのジレンマを上手く表現している。コール&レスポンスも絡めつつ、ライヴを盛り上げる一曲だ。
02JUST A FALSE!JUST A HOLE!
03kokoro no naka
迷いと焦燥の中に戸惑いながらも、前を向いて強く生きていこうというメッセージが響く、メランコリックなロックンロール。憂鬱気味なTAKUMAのヴォーカルが、優しく問いかけるように訴えてくる一曲だ。
04LICENSE
10-FEETの持ち味であるレゲエ・フレーヴァーのミクスチャー・ロック。ゴリゴリしたギター・リフとアジテートが気分を最高潮まで盛り上げ、イライラや鬱憤をあっという間に吹き飛ばす。この壮快さがたまらない。
05child
アコースティック・ギターをフィーチャーした美しいメロディが胸に染み入る、どこかノスタルジックな一曲。道行く子供たちの姿に照らし合わせながら、成長していくということに想いを馳せた歌詞も秀逸な出来だ。
06SLIGHT
ヘヴィなギターをガシガシと叩きつけるミドル・チューンのロックンロール。円を描くようなドラミングとラップ風味のヴォーカルが、ぐんぐんとサウンドの中心へと誘っていくグルーヴィな一曲だ。
07NICK JAGGER
直球のメロコア・パンク・サウンドで展開されるスピーディなナンバー。ほぼ英詞だが、その内容は子供時代に公園で遊んでいた記憶を歌ったもので、だからこその無邪気さと遊び心が全編に満ちあふれている。
08WHEN&WHERE
シリアスな心情をスピード感のあるパンク・サウンドでメロディアスに聴かせるナンバー。美麗なコーラス・ワークや若干ヘヴィでありながらも壮快に響くサウンドは、どこかグリーン・デイを彷彿とさせる。
09OVERCOME
レゲエ&ロックのテイストを全面に出すも、ミクスチャーとしての彩りを加えるあたりは10-FEET流。ジャングル・ビートに乗せて展開されるメロディと“願いの強さ”を込めたメッセージ性のあるリリックが、異常な熱気を放って、リスナーを圧倒していく。
10the guide
NAOKIとTAKUMAのツイン・ヴォーカルが絡み合いながら加速していく、メロディック・パンク・チューン。NAOKIのハイトーン・ヴォイスとTAKUMAの掛け合う展開や、抜けの良いメロディが一瞬で心に火をつける必殺ナンバーだ。
11ライオン
3ピースであることにこだわらず、ブラスやキーボードも導入したメロディックなサウンドが凄まじい波となって押し寄せる感動的なナンバー。ジャジィであったりレゲエ風であったりと、バラエティに富んだ構成も素晴らしい。
12quiet
メランコリックなロッカ・バラードかと思いきや、壮快なメロコア・チューンにギア・チェンジして一気に聴かせる、アルバム『TWISTER』ラスト・ナンバー。生きていく情熱と感情と祈りを込めた、最後を飾るにふさわしい一曲だ。