ミニ・レビュー
ライヴ作品を挟み3年ぶりとなるスタジオ新録ソロ2作目。敏腕〜若手クリエイターらと絡み現R&B〜ヒップホップの最前線を写し出す、勢いと自信に満ちたサウンドの中に彼女らしさを全開。各曲のキャラ立ちの強さは脱帽ものだが、なかでもメロディックな(9)(10)の味わいは格別。
ガイドコメント
全世界が最も注目する史上最強のヒロイン、ビヨンセのソロ2作目。ジェイ・Z、ロドニー・ジャーキンスほか豪華プロデューサー陣が集結した、ビヨンセならではのゴージャスな仕上がりだ。
収録曲
01DEJA VU
2ndアルバム『B'Day』のリード・シングルとなったダンサブルなアッパー・チューン。ベース、ハイハット、ハーモニーと加速するように絡み、フィーチャーしたJAY-Zとの相性も抜群。制作にロドニー・ジャーキンスを迎えた、ダイナミックでパワフルなサウンドが魅力。
02GET ME BODIED
ハンド・クラップに男性の野太い掛け声が全編に配された、ビートが効いたヒップホップ・トラック。スウィズ・ビースによる男っぽいゴリゴリのヒップホップとキャッチーなメロディの王道的R&Bの上を、情熱的なビヨンセのヴォーカルが駆け抜けていく。
03SUGA MAMA
ブルージィなギター・サウンドとグルーヴィでファンクな要素が融合した、オーガニックなトラック。ビヨンセのソウルフルなヴォーカルが挑発的なサウンドにマッチし、クライマックスへと盛り上がっていくコーラス・ワークは圧巻だ。
04UPGRADE U
JAY-Zをフィーチャーし、彼とのゆるぎない信頼と愛情を歌ったタイトなビートが特徴的なヒップホップ・ナンバー。実在の老舗ブランドや固有名詞も登場するリアルなリリックを、ゆるめのR&Bサウンドを基調としたパンチの効いたトラックで表現している。
05RING THE ALARM
サイレン音が鳴り響くイントロがインパクト大。“浮気男に渇を入れる”ビヨンセのエモーショナルなディストーションがかったヴォーカルが、ビートの効いたオリエンタルなトラックに乗って、攻撃的に迫ってくる。
06KITTY KAT
ネプチューンズによるプロデュースらしく、ゆるくておしゃれなグルーヴにたゆたうビヨンセのウィスパー・ヴォイスが心地よく響くナンバー。生楽器と電子音のバランスも絶妙で、“女も自立しなさい”というリリックもビヨンセならでは。
07FREAKUM DRESS
リッチ・ハリソンお得意の、飛びちらかすようなアップ・ダウンの激しいトラックと駆け上がるようなコーラスへのメロディが不思議とマッチ。勝負服でクラブへ出かけ出会いを求める女の子を描いた詞が、艶っぽいヴォーカルとあいまってセクシーだ。
08GREEN LIGHT
生音と電子音が絶妙に絡みあう、ネプチューンズのプロデュースによるダンス・チューン。コーラス直前に曲調が一転し、畳み掛けるようなメロディ展開がドラマティック。強気な女性の気持ちを描いたリリックをパワフルに表現するヴォーカルがビヨンセらしい。
09IRREPLACEABLE
STARGATEが手掛けた、メロディアスで清涼感あるミディアム・ナンバー。浮気した男をバッサリと斬り捨てる強い女を描いた歌詞を、ビヨンセの情感たっぷりの伸びやかなヴォーカルで堪能できる。キャッチーでせつないメロディが、聴く者の耳を惹きつけてやまない。
10RESENTMENT
カーティス・メイフィールドの「think」をサンプリングした、 ソウルフルでまったりしたスロー・ナンバー。 繊細な女性の心理が描かれた詞世界を、ビヨンセの繊細なヴォーカルが巧みに表現。聴けば聴くほど味わい深い曲。
11CREOLE
ホーン・セクションと繰り返されるコーラスが印象的なダンス・チューン。 ビヨンセの人種的ルーツでもある「クレオール」をテーマにした、 彼女自身のことを歌ったリリックを、キュートかつセクシーなヴォーカルで表現。
12CHECK ON IT
Bun Bとスリム・サグをフィーチャーした、ビヨンセ主演映画『ピンクパンサー』主題歌。ゆるいビートにホイッスルやハンズ・クラップなど、遊び心たっぷりのアレンジが効果的。セクシーなリリックをキュートなヴォーカルで彩る、Swizz Beatzプロデュース曲。