ミニ・レビュー
メロディ・メイカーとして数々のヒット曲を生み出してきた織田が13年ぶりにソロ活動を再開。ZARDや酒井法子、TUBEらに提供し、ベスト5に入った曲をセルフ・カヴァー。ボサ・ノヴァやフォルクローレなどアコースティック・サウンドを前面に押し出したアレンジが大人の雰囲気。★
ガイドコメント
93年に発表された『Songs』に続くセルフ・カヴァー・アルバム。相川七瀬「恋心」、KinKi Kids「ボクの背中には羽根がある」など、思わず口ずさみたくなるヒット・ナンバーや、ゴンチチ、小松亮太らとコラボレーションした楽曲などを収録。
収録曲
01負けないで
93年、ZARDに提供し国民的ヒットとなったシングルをセルフ・カヴァー。オリジナルよりもスロー・テンポなミディアム・バラードにアレンジ。ホルンやストリングスの流れるようなメロディと織田の低めのヴォーカルによって、優しく温かさを感じる応援ソングに仕上げた。
02シーズン・イン・ザ・サン
96年、TUBEに提供しオリコン・チャート1位となった楽曲をセルフ・カヴァー。軽快なラテン調パーカッションと織田の低音が響くヴォーカルが、夏を代表するポップなこの曲を、さらにダンサブルな南国風のナンバーに生まれ変わらせている。
03ボクの背中には羽根がある
KinKi Kidsの11thシングルとして提供した楽曲をセルフ・カヴァー。オリジナルのフォルクローレ・テイストを全面に押し出し、ケーナやチャンラゴなどのボリビア音楽独特の楽器で、シンプルかつ軽やかなエキゾティック・ダンス・ミュージックを奏でている。
04愛のために。
2004年、上戸彩の7thシングルとして提供した楽曲をセルフ・カヴァー。オリジナルは上戸彩のチャーミングなヴォーカルを活かしたポップ調ナンバーだが、サックスやトロンボーンなどの管楽器を効かせたアレンジで、ジャジィなアプローチを試みている。
05碧いうさぎ
95年、酒井法子に提供し、酒井主演ドラマ『星の金貨』主題歌にもなった楽曲を、織田がセルフ・カヴァー。オリジナルのはかなさとは異なった、ダンサブルなフラメンコ調にアレンジ。情熱的ななかにも哀愁を感じさせる、織田のやわらかいヴォーカルが魅力的なナンバー。
06突然
95年、ポカリスウェットCM曲として話題となった、FIELD OF VIEWの2ndシングルとして提供した楽曲をセルフ・カヴァー。軽やかに跳ねるチェロや風が吹くようにそっと流れるフルートの音色によって、淡く、どこか懐かしいさわやかな1曲に仕上げている。
07世界中の誰よりきっと
中山美穂&WANDSに提供し、中山主演のCX系ドラマ『誰かが彼女を愛してる』主題歌としてもヒットした楽曲をセルフ・カヴァー。ストリングスで話しかけるような優しい世界観が、織田の哀愁あるヴォーカルを包み込むアレンジは、GONTITIが手掛けている。
08この愛に泳ぎ疲れても
94年、ZARDの11thシングルとして提供した楽曲をセルフ・カヴァー。マイナー調でダークな雰囲気が漂うオリジナルを、タンゴ調のアレンジでさらに強調。タンゴには欠かせないバンドネオンの音色が、サウンドを妖艶さを加えて、深い悲しみが感じられるナンバーとなった。
09Anniversary
KinKi Kidsの20thシングルとして提供した楽曲のセルフ・カヴァー。スケールを感じさせる伸びやかなメロディ・ラインはそのままに、サックスやストリングスの音色によって、よりブルージィなアレンジとして仕上げている。
10世界が終わるまでは…
94年、人気アニメ『スラムダンク』主題歌にもなった、WANDSに提供したシングル曲をセルフ・カヴァー。オリジナルよりもスローなピアノで始まる、ジャジィで哀愁が漂うアレンジが秀逸。時に奏でられるフリューゲル・ホルンの音色が、切なさを増すように響くナンバー。
11恋心
96年リリース、楽曲提供した相川七瀬の代表作ともなるロック・チューンをセルフ・カヴァー。ヨーロッパ古楽器の演奏と読経のような独特なコーラスを加え、民族音楽の要素を打ち出した楽曲へと生まれ変わらせている。イントロから古代ヨーロッパの世界へと誘われるだろう。
12このまま君だけを奪い去りたい
93年、DEENのデビュー・シングルとして提供し、ミリオン・ヒットとなった楽曲をセルフ・カヴァー。ストリングスやピアノによる、オーケストラを思わせるような壮大なサウンドが、織田らしい情熱的で深い愛を感じさせるヴォーカルにマッチしている。