ガイドコメント
トータル・セールス3000万枚以上、グラミー賞通算8部門受賞……。数々の偉業を残し、惜しまれつつ亡くなったシンガー、“ルーサー・ヴァンドロス”のレーベルの壁を超えたベスト・アルバムだ。
収録曲
01NEVER TOO MUCH
輝かしいキャリアを誇るルーサーの、記念すべきデビュー曲。ファンキーなリズムと彼の伸びやかなヴォーカルは当時のみならず、現在も多くのソウル/ヒップホップ・アーティストたちに大きな影響を与え続けている。
02GIVE ME THE REASON
ダニー・デヴィートとベット・ミドラーが夫婦を演じるコメディ映画『殺したい女』で劇中に使用されたソウル・ナンバー。印象的なイントロ部分がアドリブだったことは有名な話で、ルーサーの代表曲の一つと言われている。
03SHINE
ベスト・アルバム『パーフェクト・ベスト』に新曲として収録された、ファンキーなメロディが聴き手の身体を揺らすソウル・チューン。かつて参加していたシックの「禁じられた恋」をサンプリングしている。
04YOUR SECRET LOVE
柔らかなメロディと優しさに満ちたヴォーカルが聴き手の心を癒すソウル・バラードで、グラミー賞最優秀R&Bヴォーカル部門の受賞曲。この曲を収録した96年発表のアルバム『愛の秘密(ユア・シークレット・ラブ)』を最後に、エピックから離れることとなった。
05DANCE WITH MY FATHER
リチャード・マークスとの共作曲で、グラミー賞の最優秀楽曲賞、最優秀R&B男性ヴォーカル部門賞を受賞したナンバー。本曲収録の同名のアルバムも最優秀R&Bアルバムに選出された。リチャード・マークスらしい優しいメロディが印象に残る。
06I REALLY DIDN'T MEAN IT
マーカス・ミラーとの共作曲で、いかにも80年代を思わせる軽妙でポップなメロディに、思わず身体も揺れるソウル/ファンク・チューン。若かりし頃のルーサーのソウルフルなヴォーカルに酔いしれることのできる、最高のディスコ・ミュージックだ。
07STOP TO LOVE
80年代後半のディスコを席巻した、シンセサイザーと打ち込みを多用したセクシーかつファンキーなアップ・テンポのナンバー。R&Bチャート1位を獲得、リサ・フィッシャーを起用したPVも話題となり、当時MTVでもヘヴィ・ローテーションされた人気曲。
08SEARCHING
ソロ・デビューの前年にルーサーが参加していたグループ“チェンジ”名義で発表され、彼がリード・ヴォーカルを務めた楽曲。伸びやかで若々しいヴォーカルとポップなメロディ・ラインが、当時の華やかな音楽シーンを思い出させる。
09TAKE YOU OUT
Jレコーズでの第1弾シングルとなった、美しいソウル・バラード。2001年『ルーサー・ヴァンドロス』に収められた曲だが、早速ジェイ・Zの「エクスキューズ・ミー・ミス」でサンプリングされるなど、スタンダードの風格が感じられるナンバーだ。
10GOT YOU HOME
ベスト・アルバム『パーフェクト・ベスト』に新曲として収録された、「テイク・ユー・アウト」と地続きになったミディアム・バラード。伸びやかなルーサーのヴォーカルは、若き日のそれと比較しても遜色ない力強さをみせている。
11POWER OF LOVE / LOVE POWER
サンドペブルズの1967年のヒット曲「ラヴ・パワー」のカヴァーと、自身のオリジナル曲「パワー・オブ・ラヴ」を繋いだメドレー・ナンバー。独特のセンスで紡いだこの曲で、グラミー賞2部門を獲得した。
12SO AMAZING
柔らかなメロディとささやくようなヴォーカルが、いかにもルーサーらしいバラード。83年にルーサーのプロデュースによってディオンヌ・ワーウィックへ提供された楽曲だが、4年後に発表の本ヴァージョンの方が有名となっている。
13BUY ME A ROSE
カントリー・ミュージシャンであるケニー・ロジャースのカヴァー。だが、カントリー色は感じられず、ルーサーのヴォーカルが映えるゆったりとしたソウル・バラードに仕上がっている。少し哀しげな歌詞もルーサーの歌声に良く合う。
14LOVE THE ONE YOU'RE WITH
オリジナルはスティーヴン・スティルスだが、R&Bではアイズリー・ブラザーズのカヴァーで有名な楽曲。アップ・テンポでさわやかなメロディ・ラインが、聴き手の気持ちを優しく昂揚させてくれる。コーラスの力強さは圧巻の一言。
15ANY LOVE
88年リリースの傑作アルバム『エニィ・ラヴ』に収録されたソウル・バラード。甘すぎるほどに愛の言葉を紡いだ歌詞と情熱的なヴォーカルがいかにもルーサーらしいムードを漂わせた、彼のキャリアにおける代表曲の一つといえる。
16ALWAYS AND FOREVER
70〜80年代のディスコ・シーンを中心に活躍したR&B/ソウル・グループ、ヒートウェイヴが放ったヒット曲のカヴァー。どちらかといえばストレートなオリジナルを、ルーサー流に“ネットリ”とアレンジしている。
17THE CLOSER I GET TO YOU
オリジナルのロバータ・フラック&ダニー・ハザウェイには負けられない、と思ったかどうかはわからないが、ビヨンセをデュエットの相手に選んでグラミー賞を獲得した名曲。二人のヴォーカルの掛け合いは心が震えるほどに美しい。
18ENDLESS LOVE
ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーによるあまりにも有名なデュエット曲のカヴァーで、ルーサーのデュエットのお相手はマライア・キャリー。原曲の優雅さを忠実に活かしつつ、二人の個性が発揮された名カヴァーに仕上がっている。
19SHINE
ベスト・アルバム『パーフェクト・ベスト』に新曲として収録されたナンバーの別ヴァージョン。原曲に電子音と打ち込みを盛り込み、ソウルフルなクラブ・ミュージックに生まれ変わっている。彼の音楽は時代を超えて愛される、ということを証明した1曲。