ミニ・レビュー
オーディション番組『歌スタ』からメジャー・デビュー第1号として2005年7月にファースト・シングルを発表した24歳のシンガーの1作目。デビュー曲の(4)や全編英語詞の(3)、和風味の(13)など、確かな歌唱力に裏付けられたヴァリエーションのある正統派ポップスが揃った。
ガイドコメント
「キレイになる私」から「まっすぐに」までのシングル曲を含む、カミタミカの1stアルバム。ビート・ナンバーからウェットで切ないバラードまで、彼女の色々な表情をパッケージ。
収録曲
01Invitation〜harubeni〜
2ndマキシ・シングルに収録されている「春紅」のインストゥルメンタル曲。ピアノ・アレンジによる本作は、オリジナルとはまた一味異なる温かさが感じられる仕上がり。日本の情緒豊かな雰囲気を演出している。
02秋色の金曜日
軽快なリズムが心地よいゴキゲンなポップ・サウンド。恋愛期間が長くなるに連れ、素直になれない自分……。“好きな人の前ではもっと自分を解放しましょう”というメッセージが込められた、ハッピー・ソングだ。
03SEVEN O'CLOCK NEWS
「MAX FACTOR」CM曲にもなっている2ndシングルは、フレンチ歌謡風ポップス。肩の力を抜いた自然な英語で異国の恋を歌っているのが何ともオシャレ。2分半足らずなのに濃厚な物語が展開されている。
04キレイになる私
昨日より今日、今日より明日はもっとキレイになるはず、素敵なことが起こるはず……と、仕事に恋に生きる女性を描いたポジティヴ・ソング。ミディアム・テンポのサウンドに、女性なら誰もが共感できる部分が含まれた詞がマッチしている。
05Melody
アコースティック・ギター&ピアノが心身に優しく響く、ボサ・ノヴァ・テイストを織り込んだサウンドとカミタミカ独特のウィスパー・ヴォイスが見事にマッチ。夕暮れの海辺で静かにトロピカル・カクテルをいただく……というシチュエーションが似合うナンバーだ。
06Spring Rain Drops
愛する人との別れ。切ないけれど、立ち止まらずに前を向いて歩いていこう、2人で過ごした日々を思い出に……。そんな哀愁漂うテーマを歌った作品。ノスタルジックな雰囲気を醸し出す、アコースティック・ギターの音色が印象的だ。
07Trap of Jewel
ゴージャス感&お姉さま感の漂うお洒落なサウンド。男性を惑わしている女性が不覚にも男性に惑わされてしまうという、大人の恋のかけひきをクールに描いている。ロハスなイメージの彼女の、新たな一面がうかがえるナンバーだ。
08ALONE
切なくも温かい気持ちになれる胸キュンのミディアム・バラード。近くにいるのに、今の心地よい関係を壊したくないから好きと言えない。私はこのままでも幸せという、多くの人が共感するであろう複雑な心境を綴っている。
09Sweetheart
彼のことを好きになればなるほど不安も尽きない、複雑な女の子の気持ちを素直に綴ったスウィート・ポップス。恋愛はマニュアル通りにはいかないもの。そこにさまざまなドラマが生まれるから楽しく、幸せな気持ちでいられる……ということを思い出させてくれる作品だ。
10GINZAガール
元フライングキッズの浜崎貴司が詞曲を手掛けたお洒落ソング。銀座・丸の内界隈に勤めるOLの恋愛模様をリアルに描いた詞を、独特のファンク風サウンドに乗せてアンニュイな仕上がりに。クセのない澄んだヴォーカルがよく映えている。
11for you
夢を求めて旅立った恋人への思いを綴った、ちょっぴり切ないバラード・ナンバー。自分に言い聞かせているかのような「空を辿れば あなたへ繋がってるから」というフレーズが、けなげで胸を締めつけるよう。艶っぽく憂いのあるヴォーカルが、いっそう切なさを増長させている。
12まっすぐに
カミタがライヴで歌い続けてきたバラード・ナンバー。夢を追う人へのメッセージを、静かなピアノや艶やかなヴォーカルで表現している。涙腺を刺激する切なさで、映画『13の月』エンディング・テーマへの起用も納得できる、3rdシングル。
13春紅
ダブルA面となっている2ndシングル。桜の季節に今でも忘れられない終わった恋を想うミディアム・テンポの楽曲。少し鼻にかかったSowelu風の明朗な声が、作品を湿らせることなく華やかに彩っている。