ミニ・レビュー
SUMMER LIVE“STAND BY ME”からのライヴ音源と、新曲ディスクからなる2枚組。ヒット曲満載のライヴ盤は、快進撃を続ける3ピースの勢いとともに、クオリティの高い演奏力を体感させるはず。複雑な展開となる新曲の構築ぶりにも脱帽……。
ガイドコメント
レミオロメンが大きな飛躍を遂げた、2006年を総括する2枚組アルバム。1枚は8月12日に行なわれたライヴ“レミオロメン SUMMER LIVE STAND BY ME”の模様を収録。もう1枚には新曲「アイランド」などを収める。
収録曲
[Disc 1]〈“Flash”side〜「SUMMER LIVE“STAND BY ME”」〉
01モラトリアム
スマッシュ・ヒットを記録した疾走感あふれるアッパー・ロック・チューン。ヴォーカル藤巻の広い青空を連想させる、伸びやかで憂いのある声が素直に気持ちいい。
021-2 Love Forever
03ドッグイヤー
懐かしいような哀愁漂う歌謡曲的なメロディとギターのフレーズが印象的。平坦なヴォーカルが、サビのリズミカルなドラミングにあわせるようにテンポを上げていく時の、ユーモラスな感覚が心地良いナンバー。
04傘クラゲ
梅雨の季節に2つの傘が並んで歩く様子は、海にゆらゆらと漂うクラゲのよう。傘の下で好きな人と手が触れた瞬間、世界が淡く、より輝きを増していくイメージが広がるような、心温まるナンバー。作曲はベースの前田啓介が担当し、しっとりとしたバラードに仕上げている。
05五月雨
06シフト
エレキをかき鳴らすオープニングのベース・ソロとドラムが重なり迫力を増す、ノリノリのロック・チューン。前へ前へと挑戦的に進んでいくような歌詞に感化される。随所で聴こえる半音ずつ上がっていく4ビートのベース音が曲に深みを出している。
07MONSTER
自分の内にひそむ影はどんなモンスターとなって現れるのか? 人々に訴えかける歌詞とゆっくりとこちらに迫ってくるような低いベース・リフが印象的なミディアム・バラード。アルバム『HORIZON』の中でも異彩を放つナンバーだ。
08紙ふぶき
オープニングのゆったりと流れるようなピアノとストリングスの音色が心地よいバラード・ナンバー。「不器用に生きる意味を探して……」と、ポジティヴな歌詞に勇気を与えられる。ゆったりとしながらも8ビートで刻むスネアが曲全体にメリハリを出している。
09粉雪
CX系ドラマ『1リットルの涙』挿入歌となった8thシングル。はかなく消える心を粉雪に例え、切なく歌い上げるサビは心の琴線に触れ、1度聴くだけで忘れられなくなる。季節描写が魅力のレミオロメンらしいバラード。
10南風
“君をもっと愛をもっと欲しいのさ”という照れるくらいストレートな歌詞にハートを射抜かれる、幸福感にあふれた作品。曲に躍動感を与える裏打ちのビートや抜けのいい声がライヴの臨場感を出している。
11雨上がり
記念すべき1stシングルは、初夏の爽やかな風が吹いてきそうな瑞々しさあふれるロック・ナンバー。デビュー曲にして高い演奏力とアレンジをみせたこの曲は、全国のラジオ局で数々のパワー・プレイを獲得。
12スタンドバイミー
3rdアルバム『HORIZON』のオープニング・トラック。地平線や水平線から昇るエネルギッシュな太陽をイメージさせる冒頭部が印象的。自らの限界を超えるという強い意志が込められた、アルバムの1曲目にふさわしい力強さを感じるナンバーだ。
133月9日
14太陽の下
9thシングルは映画『子ぎつねヘレン』の主題歌。オープニングの重厚で流麗なピアノの音色が印象的な、ミディアム・バラード。柔らかいストリングスが絡み合い「太陽の下で素直に生きられるさ」と、歌う詞が心にしみわたるラブ・ソング。
15流星
8ビートで一音一音ハッキリと弾くギター・リフとささやくようにしっとりとしたヴォーカルが、心にしみわたるミディアム・バラード。青春時代は流星のようにサーッと過ぎて、いつの間にか大人になる様子を描いた歌詞が印象的なナンバー。
[Disc 2]〈“Gleam”side〜「アイランド」〉
01アイランド
音楽活動の中で、夢と現実の狭間でもがきながら進んでいる心情を吐露している曲。ストリングスやエフェクトを交えたアレンジが壮大なスケールを描き、生きていく上で犠牲になっていくものを見つめた言葉が胸を打つ。