ガイドコメント
アナログフィッシュの2ndアルバム。3ピース・バンドの概念を覆す、オリジナリティあふれる楽曲を多数収録。コーラス・ワークも厚みと切れ味を増し、まさにタイトルどおりのハーモニー豊かな会心作に仕上がっている。
収録曲
[Disc 1]
01Living in the City
シンプルなロック・ビートと爽やかなギター・ストロークで聴かせる、安定感たっぷりのポップ・ナンバー。独特の言語センスといい具合に肩の力が抜けたヴォーカルが、胸に優しく染みこんでくる一曲だ。
02Magic
疾走感たっぷりのビートを刻むドラムが心地よい、シンプルなロック・ナンバー。全体を通して聴かせるコーラスがどこか懐かしく、素直に耳に届いてくる。青春時代のモヤモヤした感情をストレートに表現した歌詞にも注目。
03世界のエンドロール
“夜の空想のすべてを侵すよ”“くらえよ ニセモノシャウト”など、青空を突き抜けるようなストレートなヴォーカルが魅力のプログレ・ナンバー。変拍子も完全ユニゾンする、高い力量のリズム・セクションが聴きどころだ。
04ガールフレンド
恋する若者すべてに届けたい、青臭さたっぷりのリアルな直球ラブ・ソング。きれいごとだけではないどこか屈折した10代の感情を見事に表現した歌詞には、ただただ脱帽。しっとりとしたメロディによって心もうるおう。
05アンセム
12弦ギターの響きが懐かしい彩りを照らす、60年代のウェスト・コースト風フォーク・ロック・ナンバー。極上のメロディと巧みなコーラス・ワークで、ギターを手にして歌うことの素晴らしさを伝えている。
06SIM CITY
めまぐるしく展開するフワフワした浮遊感が楽しいプログレ風ロック・ナンバー。自分の居場所を探してもがく主人公の苦悩がたっぷり詰まっている。ちなみに、同名タイトルの有名ゲームソフトがあるが、関係はない。
07マテンロー
“摩天楼”ではなくあくまで“マテンロー”。自分自身のこともわからずに、とにかくいてもたってもいられなくなる思春期をテーマに歌い上げた青春ロック・ナンバー。“摩天楼を抱きしめて眠る”彼らの魂の叫びがここに。
08スパイダー
部屋の隅の蜘蛛の巣を見上げてつぶやくどこかユーモラスな主人公の独白を、ワルツのリズムに乗せてサイケデリックに表現したナンバー。調子はずれのヴォーカルとどこか投げやりに感じるバックの演奏が、絶妙なバランスをみせている。
09公平なWorld
爽やかなストリングスが寄り添う、草原に吹く一陣の風のように気持ちのいアコギのストローク。それらをバックに披露される、粘っこくもメロディアスで物憂げなヴォーカルが秀逸の16ビートのポップ・ソング。理不尽な世界にNOを突きつける歌詞が切ない。
10エナジー
80年代後半のジュン・スカイ・ウォーカーズを思い起こさせるような、勢いたっぷりのシンプルなロック・ナンバー。ドライヴ感にあふれたビートとグルーヴ感満載のベース・ラインが気持ちいいサウンドを作り出している。
11この気持ちは僕のもの
12Iwashi
変拍子のリズムをユニゾンで聴かせるリズミックなイントロに導かれて、シンプルな白玉系のメロディを歌メロへ投げつけていく。一筋縄では終わらない、彼らの信条がぎっしりと詰まったロック・ナンバー。
[Disc 2]〈DVD〉〈スペシャルスタジオライブ2006.8.27〉
01Living in the City
02Magic
03世界のエンドロール
04ガールフレンド
05アンセム
06SIM CITY
07マテンロー
08スパイダー
09公平なWorld
10エナジー
11この気持ちは僕のもの
12Iwashi