ミニ・レビュー
KICK THE CAN CREWのKREVAがキックを始める前に活動していたユニットが、10年ぶりに復活。本セカンド・シングルは、2トップMCの軽妙さやコンビネーションが楽しめる超絶技巧ラップ。寿限無やチンドンといった古来の言葉遊びの面白さにも通じる彼らのナンバーは、さまざまな可能性を感じさせる。
ガイドコメント
KREVAがKICK THE CAN CREW結成以前に盟友、CUEZEROと結成していた伝説の2MCユニット、BY PHAR THE DOPESTの再始動シングル。2人が生まれた1976年のヒット曲をサンプリングした、20年来の友情物語ソングとなっている。
収録曲
01恥じゃない
シンプルな鈴の音や硬質なトライアングルをアクセントに、人生からスロー・ダウンしていくさまをしっかり見据えて描写している、メロディアスなラップ・トラック。単なる癒しではなく、あたたかな励ましを感じるメッセージ・ソングなのが嬉しい。
02一発屋
チンドンのような軽妙なリズムが頭の中でループする、中毒性のあるヒップホップ・トラック。アーティストにとって笑えない“一発屋”という称号を、シニカルかつスタイリッシュに手玉にとってしまうあたりに、ラッパーの底力が感じられる。
03階段
間延びしたフレーズかと思えば、不連続なリズムネーションでキュッと引き締める。エンドレスに繰り返されるふぞろいな感覚のリリックは、KRAVAでなければ書けないユニークなもの。ふたりの息の合ったテンションも小気味良いナンバー。