ミニ・レビュー
どんなポップスもオペラ・マナーで、のイケメン4人組のアルバム、3作目。美しく、ドラマティックに、また彼らは歌い上げ魅了してくれるが、ムーディー・ブルースのロック・クラシック(1)を歌うとは驚き。名曲中の名曲バラード(3)にはメロメロになってしまう女性続出のはず。
ガイドコメント
イル・ディーヴォの3rdアルバム。マライア・キャリーが歌ったことで知られる「ウィズアウト・ユー」、フィギュア・スケートの荒川静香選手でおなじみの「ユー・レイズ・ミー・アップ」などをカヴァーした、話題曲満載の1枚だ。
収録曲
[Disc 1]
01NIGHTS IN WHITE SATIN (NOTTE DILUCE)
UKプログレッシヴ・ロック・バンドの雄、ムーディー・ブルースのカヴァー曲。意外な選曲だが、静かなピアノの旋律と美しいヴォーカルが原曲のイメージを一新。まるで彼らのオリジナル曲であるかのような完成度を誇っている。
02CARUSO
パヴァロッティをはじめとする歌唱で有名な、クラシックの名テナー、エンリコ・カルーソーをテーマとした歌劇調のバラード。原曲はイタリア人のルチオ・ダルラの手によるもの。流れるようなイタリア語のヴォーカルに魅了されること間違いなしだ。
03WITHOUT YOU (DESDE EL DIA QUE TE FUISTE)
オリジナルはバッドフィンガーで、ニルソンやマライア・キャリーなどでも知られる名曲をイタリア語でカヴァー。ゆったりと雄大に流れていく美しいメロディに、彼らの絶大なる歌唱力がマッチしたナンバーだ。
04COME PRIMAVERA
哀愁の漂うスパニッシュ・ギターが哀しみを誘うオリジナル・ナンバー。4人のメンバーが順々にリード・ヴォーカルを取り、サビで見事なコーラスを聴かせる。ラテンの雰囲気が満ちあふれる、ロマンティックな佳曲だ。
05HAVE YOU EVER REALLY LOVED A WOMAN (UN REGALO QUE TE DIO LA VIDA)
ジョニー・デップ主演映画『ドンファン』主題歌としてブライアン・アダムスが歌った曲を、スペイン語でカヴァー。もともと情熱的なオリジナルのラテン度をさらに上昇させる、ムーディなアレンジがユニーク。
06LA VIDA SIN AMOR
アルバム『オールウェイズ』に収録された、スパニッシュ・ギターをバックに哀愁が漂う美しいヴォーカルを聴かせるオリジナル・ナンバー。ラテンのノリで徐々に盛り上がりをみせ、最後には情熱を爆発させている。
07UNA NOCHE
スパニッシュ・ギターとスペイン語のヴォーカルとの一体感が素晴らしい、哀愁が漂うカヴァー曲。ロマンティックなムードを携えながら、ラストで聴かせるパワフルなコーラスの迫力に圧倒されてしまうナンバーだ。
08YOU RAISE ME UP (POR TI SERE)
トリノ五輪フィギュア・スケートで金メダルを獲得した荒川静香の競技使用曲として日本人にはおなじみの美しいバラード。オリジナルはシークレット・ガーデンだが、スペイン語によってよりドラマティックなものに仕上がっている。
09TELL THAT TO MY HEART (AMOR VENME A BUSCAR)
前作までの楽曲ではあまり見受けられなかった、繊細なメロディと抑え気味のヴォーカルが特色のオリジナル・ナンバー。非常にシンプルで静かに流れる曲だが、彼らのエモーションから芯の力強さが感じられる。
10MUSICA
ジョン・マイルズの手による傑作ロック・ナンバーを、4人がイタリア語詞で歌い上げているカヴァー。ジョン・マイルズ本人がピアノを担当した安定したサウンドに乗って、持ち前の美しいコーラスを披露している。
11SOMEWHERE
デイヴィッドがミュージカルで歌っていた(当時はソプラノ・パート)という、アルバム『オールウェイズ-SIEMPRE-』中で唯一の英語によって歌われる、映画『ウエストサイド物語』劇中曲のカヴァー。感情あふれるヴォーカルが印象的なナンバーだ。
[Disc 2]〈DVD〉
01DVD「ライヴ・アット・ザ・グリーク」〜インタビュー
02DVD「ライヴ・アット・ザ・グリーク」〜サムホエア