ミニ・レビュー
映画『7月24日通りのクリスマス』の主題歌となった(2)をはじめ、TBS系アニメ『BLOOD+』のエンディング・テーマの(5)などタイアップ曲3曲を含む全12曲。ミディアムからスローまでバラードのイメージが強いKだが、冒頭の(1)など跳ねた曲の表現力も秀逸だ。
ガイドコメント
前作から約1年を経て発表となる、Kの2ndアルバム。本作も松尾潔によるプロデュースで、美しい歌声の映える逸品に仕上げている。映画『7月24日通りのクリスマス』主題歌の「ファースト・クリスマス」も収録。
収録曲
01Music in My Life
エレキとアコギ、ピアノによるセッションがクールな伴奏に、Kのソウルフルな歌声が重なったファンキーなナンバー。タイトルどおりKにとっての音楽の存在意義を問う内容で、彼の「音楽が好き」という姿勢が生き生きと伝わってくる。
02ファースト・クリスマス
イントロのKの弾き語りから徐々にストリングスやハープ、ゴスペルが加わっていく、ドラマティックな展開が印象的なミディアム・ナンバー。彼女と出会って初めてのクリスマスに告白するという内容は、ロマンティックで温かい。
03Again (feat.黒沢薫 (ゴスペラーズ))
ゴスペラーズの黒沢薫をフィーチャー。彼のスムージーな歌声が、Kのリード・ヴォーカルを引き立て美しいハーモニーを聴かせてくれる。このまま身を任せていたいと思うほど心地よいR&B調ナンバー。
04Together Forever (album version)
4thシングルにカップリングとして収録されたナンバーを、ボサ・ノヴァ調にアレンジしたアルバム・ヴァージョン。リリックとメロディ両方からとろけるように甘い愛が感じられる、どっぷり浸りたいラブ・ソング。
05Brand New Map
意外にもシングルではK初のミディアム・ナンバー。軽快なサウンドにK独特のシルキー・ヴォイスがよくマッチしていて、心地よいサウンドを演出している。ナチュラルかつ等身大の姿で女性に向きあう男性の、爽やかな恋を描いている。
06Thirsty
艶かしい単語を並べ、男女が繰り広げる駆け引きを歌った挑発的なリリックとロービートなヒップホップ・ソウル系のサウンドがマッチしたクールなナンバー。Kの優しいだけでない、セクシーで強い“男”を感じさせてくれる一曲。
07Last Love
ダンスホールで見つけた運命の女性に目を奪われる青年のドキドキ感をそのまま表現したようなリリック、そして爽快感あふれる軽快なサウンドは聞いているだけで心が躍りだしそうだ。Kのシルキー・ヴォイスもぴったり合っている。
08Stay Right Here
大切に愛を育んでいる二人の姿が思い浮かぶような歌詞が優しさあふれる旋律に乗り、自然と温かい気持ちになるバラード・ナンバー。「天国からの歌声」と称されるKの表現力豊かなヴォーカルが、心に深く響いてくる。
09朝の光、風の匂い
K自身が「ユルい曲が歌いたい」と書き下ろしたという、スウィング調の軽快なナンバー。シャッフル・リズムにKのシルキー・ヴォイスが乗り、さらにそこに重なるピアノのアレンジがクールに効いているかっこいい一曲。
10The Day
オーケストラによる壮大な旋律が美しいミディアム・スローのラブ・ソング。Kの甘く濡れた声が、別れた恋人を待ち続ける青年の切ない想いを助長させ、聴いている者の胸をちくりとさす。韓国映画『タイフーン』のイメージ・ソング。
11Blue
タイトルどおり爽やかなブルーをイメージさせる軽快なピアノ・ロック・ナンバー。春を告げる鳥として有名なブルーバードと自分に春をくれる彼女を重ね合わせるという、意味深なリリックが印象的。聴いているだけでパワーが生まれてくる。
12星の想い
旅立つ人へ送る応援歌。「一人じゃない、帰る場所はあるから」と優しく歌うリリックが、次の場所へと向かう背中をそっと押してくれる。韓国から日本に来たKと彼を見送った家族や友達の姿が、曲にリンクするナンバーだ。