ミニ・レビュー
タイトルどおり5年ぶりのアルバムは、収録12曲すべてタイアップ曲という福山人気を誇示したラインナップ。しかも、新録以外はニュー・ミックスというおまけ。さらに、ボーナスCDとして新曲「Sandy」をおまけ収録。福山ラブ・ソングの新境地とでも言いましょうか。
ガイドコメント
約5年ぶりとなる、福山雅治のフル・アルバム。2003年発表の「虹/ひまわり/それがすべてさ」から「milk tea/美しき花」までのシングル曲に加え、“キシリッシュ 歌ガム”のCMソング「BEAUTIFUL DAY」などの新曲も収録した豪華盤だ。
収録曲
[Disc 1]
01FREEDOM
たどり着く先が愚かな姿だとしても、まだ知らない笑顔や喜びのために前に進んで行こうと歌う、ストリングス・アレンジの壮大なミディアム・ナンバー。背中を前に押してくれるような歌声の力強さに、胸が熱くなる。
02THE EDGE OF CHAOS〜愛の一撃〜
聴いていて自然に体が動く、スピード感あふれるアップ・テンポのナンバー。トランペットなどのにぎやかなサウンドがアレンジされていて、ライヴで盛り上がりそうなノリノリの1曲になっている。スズキ「SX4」のCMソング。
03虹
ドラマ主題歌にも起用された、清涼感のあるミドル・チューン。Aメロは軽やかなギターの音色にのせてなめらかに聴かせ、サビは華やかな高揚感をもって、一気にキャッチーなメロディへ。なんとも爽やかな出来映えだ。
04ひまわり
力強くも優しくもあるピアノをバックに歌われる、黄昏模様のバラード・ソング。切なくもじんわりと心温まる世界観、そして類稀なメロディ・センスはさすがの一言。前川清に提供したことでも話題を呼んだ楽曲。
05それがすべてさ
前向きなメッセージが込められた、爽やかポップ・チューン。キャッチーなサビのメロディが、耳に残ってとても印象的だ。合間にはラップも挟んで、カラフルな顔立ちを見せる。明るく親しみやすいのが、この曲の魅力。
06泣いたりしないで
シンプルなアコースティック・ギター・サウンドをベースに、囁くような歌いっぷりで聴かせる。優しさたっぷりの包み込むような、柔らかいスロー・ナンバー。ジワリ染み込む歌声とストリングスが絶妙。
07RED×BLUE
08東京
「涙」「弱さ」「素顔」を見せてはいけないと思っていた「東京」という地。その中で見つけた愛と奇跡を歌うミディアム・テンポのラブ・バラード。その詞と声がとても優しげで、聴いていると幸せな気持ちになる。
09milk tea
10美しき花
デジカメのCMソング。ブリティッシュ・サウンド風の凛としたイメージで始まり、優しさあふれるミディアム・バラードのパートが展開する。子供の成長を願う楽曲だが、どうやら女の子のよう。
11LOVE TRAIN
スーツ姿でリズムを刻む福山雅治が印象に深い、本人出演によるガムのCMソング。ブラスをフィーチャーしたハードなロック・チューンで、この“愛を乗せた列車”は、きっと誰にも止められない、といわんばかりの佇まいだ。
12あの夏も 海も 空も
青春期の苦しいまでの恋、あきれるほどまっすぐな思いを振り返るラブ・バラード。アコースティック・サウンドから始まり、オーケストレーションを配して、楽曲の奥行きや広がりをたたえている。
13BEAUTIFUL DAY
爽やかな風が似合う、バイクに乗って出かけたくなるような清々しさがあふれるミディアム・ナンバー。自然と手拍子がしたくなる心地よいサウンドは、ライヴでも盛り上がりそうだ。何かに疲れてそこから抜け出したくなった時に聴いて欲しい曲。
14わたしは風になる (LIVE VERSION)
アコースティック・ギターとブルース・ハープのみで弾き語られたライヴ音源。アコースティック・ギターの音色とゆったりとしたテンポが、聴くものの気持ちを穏やかにする。だが、そこには現状のままではいけないというメッセージも詰まっている。
[Disc 2]
01Sandy
シンプルなサウンドによるしっとりとしたスロー・ナンバー。隣で無邪気に眠っている我が子「Sandy」に、どんなに辛いことがあっても君を守るためなら頑張れるとそっと話しかけているようだ。福山の声は父親のように温かく、心にしみる。