ミニ・レビュー
ファースト同様、本人の誕生日にリリースされた女性シンガー・ソングライターのセカンド・アルバム。アイドル系? と思って聴き始めたら、「プカプカ」から俄然いい感じに。“ザ・ストリートミュージシャン・グランプリ”でグランプリを獲得したのは伊達じゃない。「やさしさに包まれたなら」は荒井由実のカヴァー。
ガイドコメント
シンガー・ソングライター、植村花菜の2ndアルバム。秀逸なカヴァー曲「やさしさに包まれたなら」や、PSPソフト『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー』の主題歌などを含む注目作だ。
収録曲
01紙ヒコーキ
青空を飛ぶ紙ヒコーキが頭に浮かぶ、軽快でピースフルなポップ・チューン。心が洗われるような優しい三拍子のメロディに、優しく伸びやかな歌声がおおらかに踊る。アコースティック・ギターの温かな音色にも癒される。
02物語 (ストーリー)
軽快なドラム音で始まる、90年代風のポップ・ナンバー。いつか願いを叶えるために希望を胸に進む「物語」。何かを始めようとするときや頑張らないといけないときに、シンプルな歌詞と素直で聴きやすいメロディが、元気をくれる。
03私でよければ…
優しいピアノの音色から始まる、ジャジィな雰囲気が漂うポップ・ナンバー。だんだんと軽やかになっていくピアノの音色と「ねぇ、浮かない顔で〜」というちょっと鼻にかかった話しかけるようなかわいい歌声が、心をほぐしてくれる。
04やさしさに包まれたなら
ユーミンが荒井由実時代の74年に発表した名曲のカヴァー。アコースティック・ギター中心のシンプルなサウンドをバックに、植村はゆったりとしたテンポとハスキー・ヴォイスでソウルフルに歌い上げている。
05ホントの気持ち
飾らない言葉で等身大の気持ちを綴ったラブ・ソング。イントロの「ありふれた言葉だけど〜」という透き通るような声が、スーッと耳に入ってくる。その声から感じるさわやかさと優しさが、心地よく漂う一曲だ。
06プカプカ
タイトルの「プカプカ」という言葉がぴったりの、緩やかで温かみのある優しいミディアム・バラード。弾けるように聴こえてくるピアノの音色が、穏やかな海を思い起こさせ、力を抜いて身を任せられるとてもリラックスした楽曲に仕上がっている。
07想い
大切な人に対して素直になれない、もどかしい想いを綴った切ないバラード。悲しみが漂って鳴くように響くピアノのメロディに、細く可憐なストリングスの音色が重なると、切なさがより深まっていく。
08冷たい雨
イントロから泣くように響くギターとキーボードが悲しみを醸し出す、失った人への忘れられない思いを綴ったミディアム・ナンバー。メロディ・ラインに隠れるようにそっと聴こえる、懐かしさを漂わせるアコギが、切なさを助長している。
09しあわせのカギ
誰もが探している「しあわせのカギ」。ずっと探し続けなければいけないカギを探すことの意味を問いかけるミディアム・ナンバー。アルバム・タイトルにも掛かっているこの楽曲は、植村らしさを象徴するような、聴く人と同じ目線で歌う姿が垣間見られる。
10光と影
7枚目のシングルは、キャッチーなメロディが映えるポップ・ナンバー。「何度も何度も躓いて 立ち上がる度 きっと強くなってる」という、サビの前向きなフレーズとアップ・テンポなリズムが、こちらに元気をくれる作品となっている。
11花
ギターにTHE ALFEEの坂崎幸之助が参加。植村と坂崎のアコースティック・ギターのみの演奏というシンプルなメロディが、植村のきれいな声を引き立たせている。どこまでも優しいメロディがすっと心に響いてくる佳曲だ。