ミニ・レビュー
平均年齢22歳の3ピースによるセカンド・ミニ・アルバム。疾走するバンド・サウンドとエモーショナルなメロディ、独特のくぐもった声が描き出す音空間に個性がにじむ。ナイーヴな想像力を持つ散文的な詞の世界に好みが分かれるだろうが、熱烈なファンも呼ぶだろう。
ガイドコメント
3ピース・ロック・バンド、てるる...のミニ・アルバム。美しいメロディ・ラインとライヴ感が漂う、ダイナミックなサウンドが楽しめる。エッジの効いたギター・ロックは、ACIDMANやストレイテナーのファンからも注目されそうだ。
収録曲
01車輪
アルバム『車輪』のオープニングを飾るタイトル曲。彼女を自転車の後ろに乗せて東京の街を走りながら、自分と彼女が見ているものは果たして同じ空なのだろうかと疑問を抱く。音数が多いややヘヴィな曲調は、彼の葛藤を表わすかのようだ。
02季節の悪戯
勢いのあるイントロから急激にテンポが下がり静かになる序盤や、間奏のヘヴィなギターどは、まるで“君”を失って闇の中で悲しみにくれる彼の心情を表わしているかのよう。時に淡々と時に感情的なヴォーカルが、胸にグッとくる。
03すずらん
「誰か、早く殺してくれよ」「僕らの背中に傷を負わせればいい」など、自分たちを否定する彼らが、いつか見た“虹色の境界線”をもう一度見たいと丘へ向かうストーリー。彼らの決意の強さを感じさせる、疾走感あふれるアップ・テンポのナンバーだ。
04夏の午後の約束
シンプルなサウンドと落ち着いたテンポで展開するナンバー。梅雨の中休み、夏の気配が漂う季節に、彼女と散歩道を歩きながら、隣にいる君が今何を考えているのか、そしてこれからどうなるかと思慮にふける切なげな曲だ。
05連弾
冒頭の掛け声からヘヴィなサウンドが展開されるアップ・テンポのナンバー。雲が流れようとも太陽が沈もうとも僕たちはピアノを連弾し続けるんだという強い意志を、時折叫ぶようなヴォーカルで力強く表現している。
06人類へ砲声
タイトルの「人類」や「偉大なる光の線」「緑の歌声」など、壮大なテーマが描かれるナンバー。音数の少ないシンプルなサウンドだが、テンポは遅くならずにしっかりと刻まれている。叫ぶようなヴォーカルも、心をつかんで離さない。
仕様
エンハンストCD内容:車輪 (video clip)