ミニ・レビュー
イントロを聴いただけで熱くなる「Wish」(本作では英語詞)、繊細な痛みがストーリーの余韻と絶妙に絡む「a little pain」といった彼女自身がREIRA役(歌唱キャスト)として出演するアニメ『NANA』のOP&EDを含むミニ・アルバム。洋楽テイストにあふれ、エモーショナルでドラマティック。
ガイドコメント
2007年1月発表のOLIVIAのミニ・アルバム。“NANA”のタイアップで知名度を上げた彼女のソロ名義での作品で、従来から持ちあわせている洋楽テイストのサウンドにJ-POPらしいキャッチーさが加わった、バランスの良い仕上がりになっている。
収録曲
01If you only knew
ピアノをメインとしたサウンドと彼女のファルセットが生み出す幻想性。強烈なパワーで聴き手を圧倒するわけではないが、ただ美しく、ひたすら繊細に語りかけてくる。無意識にその世界に引き込まれるアンビエントなナンバーだ。
02Stars shining out
日本テレビ系アニメ『NANA』のオープニング曲「Wish」同様、曲はruiとの共作。リリックではアルバム・コンセプトである“MindとHeartの葛藤”を描きつつ、キャッチーなメロディで今までのOLIVIAとは違った表情を見せるポップ・ロック・チューン。
03Dream Catcher
エモーショナルなOLIVIAのヴォーカルが穏やかなアコギのストロークと溶け合い、ドラマティックに響く。主題歌に起用された、日本テレビ系ドラマ『地獄少女』の特異なストーリーと深いところでクロスするヘヴィ・チューン。
04Who's gonna stop it?
OLIVIAのメッセージをエネルギッシュに伝えるダークなサウンドが、重たい手応えを残すロック・チューン。サビ前のたたみかけるようなヴォーカル・ワークが熱い。“Let me love you”という叫びが心に突き刺さる。
05Cloudy world
自分の周りの“曇った世界”に光が差し込むような感覚にさせてくれる、メジャー感あふれるポジティヴなポップ・チューン。OLIVIAのキャッチーで柔らかいヴォーカル、そして伸びやかな高音が楽しめる。躍動感あるギター・サウンドも耳に残る。
06Cut me free
イントロのピアノからぐっと引き込まれる。さまざまな表情を見せるヴォーカル・ワークや、アンビエントという言葉だけではくくれない、ディープで独自の世界を創り出すサウンド・デザイン。不思議な浮遊感を漂わせ、深い余韻を残すナンバーだ。
07Wish (English ver.)
自らが歌唱キャストを担当する、トラネスのレイラ名義でリリースした日本テレビ系アニメ『NANA』オープニング曲(第二期)の英語ヴァージョン。ハードかつメロディアスなアッパー・チューンで、OLIVIAのポップな面を押し出した疾走感のあるナンバーだ。
08a little pain
日本テレビ系アニメ『NANA』エンディング曲(第一期)で、OLIVIA inspi' REIRA(TRAPNEST)名義でリリース。強さも脆さも包括した生々しいヴォーカルで、レイラの孤独や焦燥、感情のすべてをぶつけたエモーショナルなパワー・バラード。