ミニ・レビュー
椎名林檎名義としては「りんごのうた」以来のシングル。デビュー当初より交流のある斎藤ネコを編曲・指揮に起用、大編成オーケストラによる豪華絢爛なバックで、ハートウォームなヴォーカルを椎名純平とともに披露している。カップリング曲も奥深い味わいのある良作。
ガイドコメント
「りんごのうた」以来、約3年ぶりとなる椎名林檎名義でのシングル。初の音楽監督を務めた映画『さくらん』のエンディング・テーマで、椎名純平とのデュエット・ナンバーだ。
収録曲
01この世の限り
レトロ・ポップな音に変幻自在の可愛い歌声が踊るフリー・ジャズ。家族愛をテーマに兄の椎名純平との温かなデュエットを繰り広げている。斎藤ネコがアレンジと指揮を担当した、オーケストラ70人による壮大な演奏も素晴らしい。
02錯乱 (ONKIO ver.)
ラテンやジャズの流れを汲んだ音に熱いパーカッションが響きわたるアッパー・チューン。英詞ヴォーカルがコブシの効いたジャジィなメロディの中に熱く横溢する。錯乱という表題どおり、うねり絡みつくような歌声が印象的だ。
03カリソメ乙女 (HITOKUCHIZAKA ver.)
妖艶なヴァイオリンの音色と郷愁を漂わせるバンド・ネオンが情熱的な、タンゴのインスト。ヨーヨーマの世界観を映し出すスリリングな演奏が味わい深い。胸騒ぎを覚える高揚感たっぷりの音と重厚で艶やかなバスの音色が、たいへん心地よいナンバー。