ミニ・レビュー
結成から現在までの11年間に発表したシングルを集めたアルバム。スカのテイストを採り入れた軽やかなパンクが次々に飛び出してくる。11年間、変わらぬスタイルも驚き。自身最大のヒット曲「MIND YOUR STEP!」をはじめ、未発表デモ音源も収録。
ガイドコメント
2006年7月に完全復活した彼らのシングル・コレクション。アルバム初収録となるヒット・シングル「MIND YOUR STEP!」やデモ音源も含まれ、入門用にも最適だ。
収録曲
01MIND YOUR STEP!
バンド自身のレーベル“ONE TWO SCHOOL”からの1stリリースで、メジャー・デビュー・シングル(99年発表)。スカパンクのノリの良さを全面に打ち出したサウンドで、モッシュを生みそうなアゲアゲの歌詞も痛快。
02B・M・W
3rdアルバム『FRESH BRASH OLDMAN』のオープニングを飾るパンキッシュな一曲。「B・M・W」とは“Bad Movie Wars”の略。手数の多いドラミング、おいしいギター・リフ満載のノリノリ・ナンバー。
03BABY-NO
スピーディかつ切れ味の鋭いギターの裏打ちカッティングと、メロディアスなベース・ラインの絡みが魅力的なスカ・パンク。追いつ追われつなリード・ヴォーカルとバック・コーラスの関係が楽曲のスピード感をさらに強調する。
04STEP BY STEP
“君”への純情な恋心を綴った軽快なスカ・ナンバー。気持ちが晴れないときでも一歩一歩着実に前進しているんだ、という前向きな歌詞に励まされる1曲。弾むようなギターのストロークと爽やかに疾走するベース・ラインが、耳なじみが良く聴きやすい。
05GOING TO CHANGE
人懐っこいメロディ・ラインに乗せて、自分の信じる道を突き進むことの大切さを熱く歌い上げるロックンロール。勢い任せでは終わらない、計算され尽くした細かいギター・アレンジが楽曲に深みを与えている。
06JET WALK
パンク〜ハードコア調のドタバタしたドラムが特徴的なスカ・ナンバー。走るのは疲れるから嫌だけど、歩くほどの時間もない。だから新しい歩き方をしようと日本の音楽界に新しいジャンルを浸透させようとした、彼ららしいメッセージが繰り広げられている。
07tippee
悪友との友情を綴ったユーモラスなナンバー。英語詞ならではの表現方法で感情の機微を巧みにすくい上げている。中盤のブレイク部分以降はファルセットを織り交ぜながら歌い上げ、楽曲はドラマチックな展開を見せる。
08THE BRAVE ROCK STAR
4thシングル「TOPLESS DRIVER」に収録のナンバー。歪んだギターと疾走するビート、これぞメロディック・パンクな一曲で、サビ部分は一緒に合唱すべし。ひねりのないシンプルなスネイル節が炸裂。
09OFF WITH YOUR HAT!
ラウドだがヘヴィにはならない、軽やかなギター・サウンドが印象的なパンク・ソング。ユーモラスな掛け声に呼応するかのように、演奏もどこか楽しげだ。テクニカルなフレーズをさらっと叩いてみせているドラムスにも注目。
10Mamma Maria
イタリア音楽界を代表するリッキとポーヴェリの代表曲をカヴァー。原曲とは似ても似つかない疾走感あふれるパンク・ロックに仕上げ、カンツォーネをSNAIL RAMP節として見事に吸収し消化してみせている。
11SHE'S SO NICE
『A PIZZA ALREADY』収録曲のライヴ・ヴァージョン。ライヴならではの臨場感とテンションの高い演奏が聴きもの。3ピース・バンドということで、一つ一つの楽器の存在感がスタジオ作品以上に際立っている。
12BREAKAWAY
細やかなギターやアクセントの効いたピアノがハイ・テンポで突き進む、にぎやかなナンバー。フラれて町を後にする男の決意が、吐き捨てるようなヴォーカルで綴られる。“傷ついたりはしない”という言葉が、逆に悲しみを誘う1曲だ。
13A WOMAN WITH A STORY (3rd Track)
ポップ・パンク風のギター・リフやパンキッシュなドラムなど、さまざまな要素が混合したスカ・ナンバー。“歯を磨け”や“金を貸してくれ”などユニークな歌詞の合間には、とにかく前へ突き進めという彼ららしいメッセージがこめられている。
14DRAMA LACKS MOVEMENT
ヘヴィなノベルティ・ソングといった趣きもあるが、歌詞は意外にシリアスかつ反抗精神に満ちている。複雑な音響処理が目立たないながらも絶妙な隠し味。楽曲の後半ではSNAIL RAMP流ジャングル・ビートも披露!
15ALMIGHTY FIVE MONKEYS
5thシングルで、4thアルバム『GRAVITY』のオープニング曲。メロディアスでテンションの高い演奏にのせて、ギターのAKIOがリード・ヴォーカルをとる。サビ部分のキャッチーさは爽快の一言。
16SLIP OUT
親が寝ているうちに家を抜け出してパーティに行こう! というアメリカの青春映画のような情景を、楽しいスカ・ビートに乗せて歌う。2分弱で演奏しきってしまう、ライヴ・テイクならではの疾走感が心地よい一曲だ。
17BAT WALK
“解放しろ”の一言を叫び続ける、50秒ほどのナンバー。短さの中にもパンクからハードコアまで、彼らの背景がしっかりと浮き彫りにされているところが面白い。重低音のリフや軽やかなソロを奏でるギターが出色の出来だ。
18FLATFISH COMES!
回転寿司屋を舞台にしたと思われるユニークなナンバー。“俺の寿司に手を出すな、取ったら殺すぞ”と叫ぶコミカルな詞と、ハイスピードで疾走するパンク・サウンドの真剣さとのギャップが面白い。20秒という短尺で終わらせる潔さもいい。
19777
ナナナのコーラスが入るから「777」……というだけの安直なネーミングではない。「人生はしょせんギャンブル、だったら自分らしい生き方をしようよ」というメッセージが込められた、ポジティヴなナンバー。
20SHE'S SO NICE (DEMO)
21A PIZZA ALREADY (DEMO)