ミニ・レビュー
今度はラテン!? ダンサーのタップ音をビートに組み込むなど、斬新なアプローチでロックの新境地を開拓する彼らのアルバムは、複雑に絡み合うラテン・ミュージック的ビートを軸に据えた意欲作。2007年でちょうどデビュー10周年だが、変化をやめるつもりはないようだ。
ガイドコメント
シングル「夢で逢えたら」「few lights till night」「Ivory」を収録した、Dragon Ashのオリジナル・アルバム。さまざまな音楽ジャンルを貪欲に採り込んで成長してきた彼らの、ひとつの到達点といえる作品だ。
収録曲
01Independiente (Intro)
活動10周年記念日にリリースされたアルバム・タイトル曲。アルバムの幕開けにふさわしく、全編にラテン・フレイヴァーを効かせた華やかなナンバーで、高速で打ち鳴らされる民族的な打楽器の響きと爪弾かれるアコギの音色が印象的だ。
02Develop the music
アルバム『INDEPENDIENTE』のイントロの流れを引き継いで速いBPMで展開する、ラテン・テイストのミクスチャー・ロック。全編英詞で歌われるヴォーカルは情熱的なメロディをなぞり、ホイッスルやマラカスを採り入れたトラックが乾いたエモーションを演出する。
03stir
彼らの得意技ともいえる、メランコリックで情熱的なサウンドが響く、17thシングル「few lights till night」カップリング曲。スパニッシュ風ギターが駆け抜けるラテン色を全編にまぶしたアッパー・チューン。
04Fly
悲しげなアコースティック・ギターのアルペジオと繊細なスクラッチとの相性が意外にも良好。ヴォーカルのコーラス・ワークやメロディ・ラインのアイディアはラテン音楽そのもの。どこか物悲しい雰囲気をたたえたミクスチャー・ミュージックだ。
05Ivory
06Libertad de fiesta
ハンドクラップとアコースティック・ギターのみで展開する導入部や、歪んだギターの絡むサビでできた緩急のある構成が特色。隙間の多いトラックにヴォーカルの美しいメロディ・ラインが際立つ、心地良い清涼感を持ったラテン・ロックだ。
07El Alma (feat.SHINJI TAKEDA)
強いストロークでかき鳴らされるアコギのカッティングと力強いドラミングがグルーヴ感を演出し、武田真冶のサックスが奔放に響く。スペイン語で「魂」を意味するタイトルのように、情熱的な曲調だ。NTTドコモCMタイアップ・ソング。
08Rainy
09Step show (Interlude)
ラテン調のコードで爪弾かれるアコギのアルペジオに、タップ・ダンス風の乾いた音が跳ねるように絡むインスト・ナンバー。後半部は打楽器によるサンバのリズムが絡み、アルバム『INDEPENDIENTE』後半へのイントロダクションにもなっている。
10Samba'n'bass
タイトルどおり「サンバ調ドラムンベース」とでもいうべき楽曲。同じラテン・フレイヴァーのナンバーでも、ビート感を前面に押し出すことによって、より肉体的な高揚感を持ったサウンドへと仕上げている。シンガロングしやすいサビのフックも健在だ。
11Luz del sol (feat.大蔵 from ケツメイシ)
ケツメイシの大蔵がラップで参加した、歪んだギターと鋭いスクラッチがヘヴィなグルーヴを演出するミクスチャー・サウンド。Kjの優しく語りかけるようなヴォーカルに加え、跳ねるようなラテン・テイストのビート感も印象的だ。
12few lights till night
やりきれなさと希望をクロスさせたリリックを深く浸透させていくKjのヴォーカルが、叙情的で優しく澄んでいる。音数の少ないサウンドや美しいギターのアルペジオが、その情景をリアルに映し出すミディアム・ナンバー。
13Beautiful
寂しげな響きを持ったか細いアコースティック・ギターに、乾いた打楽器の音と繊細なスクラッチ。英詞と日本語詞、メロディとラップを縦横無尽に行き来するKjのヴォーカル・ワークなど音楽的な成熟を感じさせる、テクニカルで完成度の高い一曲。
14夢で逢えたら
繰り返される口笛が静謐な冬の情景を映し出す。シングルとしては初となるラブ・ソングで、Kjの柔らかいヴォーカルが心に沁みるウィンター・チューン。淡々としながらも中盤で押し寄せる熱いビートの波、深みのあるサウンドは聴き逃せない。
仕様
CDエクストラ内容:Ivory (VIDEO CLIP)〜few lights till night (VIDEO CLIP)〜夢で逢えたら (VIDEO CLIP)