スネオヘアー / スカート

ミニ・レビュー

約１年ぶりの５枚目のアルバム。池田貴史（SUPER BUTTER DOG、100s）、會田茂一（FOE、HONESTY）、松江潤、COILといった個性豊かなミュージシャンをプロデューサーに迎えて、スネオヘアーの優しい歌声と親近感のあるメロディを十分に際立たせている。

ガイドコメント

スネオヘアーの5thアルバム。シングル「headphone music」などを収録。タイトル名は、言葉の響きと母性の象徴という意味からとのこと。前作『カナシミ』の切なさを受け継ぎつつ、その先の前向きな思いを描いている。

ニュース

収録曲

01スカート

アルバムのオープニングを飾るタイトル曲。「変えても変えなくても今は今」という日常を、ミディアム・スローなマイナー調サウンドに乗せて歌っている。湿っぽさや暗さはあまりなく、淡々と流れていく雰囲気が魅力だ。

02スプリット

アニメ『ハチミツとクローバーII』エンディング用に、原作者からのラブ・コールを受けて書き下ろしたポップ・チューン。ボウリング用語でもあるスプリットとは、離れ離れの2人のことを表わしていて、岐路に立たされた恋人同士の悩みを歌い上げている。

03kagefumi

曾田茂一と高桑圭によるユニット・HONESTYが参加したロック・ナンバー。本人も述べているとおり、曾田のオーヴァードライヴしたギターが聴きどころ。朴とつとしたヴォーカルとHONESTY風のハードさが融合した、新境地ともいえるサウンドだ。

04Solution

GREAT3の二人（高桑圭＆白根賢一）と曾田茂一が参加。ポップなホーンやアンサンブル重視のギターなど、アレンジ・センスがうかがえるナンバー。“きりがない君が無い”“止めない病めない？”など、淡々と綴る韻を踏んだスネオらしい詞にも注目。

05微熱

揺らめく蜃気楼や君と過ごした暑い日々を思い出させる、懐かしくおぼろげな雰囲気のナンバー。原“GEN”秀樹（NORTHERN BRIGHT）を迎えた、ディレイをたっぷりとかけたギター・サウンドが郷愁を誘っている。

06ターミナル

静かなイントロからバンド・サウンドへ広がっていくラブ・ソング。“悲しみにさよならする”という前向きな歌詞でありながら、メロディ・ラインもヴォーカルも優しすぎて涙腺を刺激する。サビのコーラス・パートが絶妙で感動的なナンバーだ。

07やさしいうた

「二十歳のころ」をテーマにした詞が青春時代を思い起こさせる、スウィートなミディアム・ナンバー。YUKIや大塚愛のサポート・ギタリストで知られる松江潤、Singer Songerのリーダー・堀江博久と、職人技が光るメンバーによるポップ＆フォーキーな作品だ。

08headphone music

池田貴史（SUPER BUTTER DOG）のプロデュースによる、池田とスネオヘアーとの共作曲。池田らしいオルガンを全体にフィーチャーした70年代ソウル色が漂うポップ・ナンバーで、ヘッドフォンを通して伝わる愛や新たなスタートを歌っている。

09I don't know

COILの岡本定義と佐藤洋介がサウンド・プロデュースを手掛けたミディアム・スロー・ナンバー。硬質だが淡々と弾かれるギターがリードする温かみのあるサウンドや、“愛を”“I Know”と韻を踏む結句が、ゆるやかなメロディとともに親しみを生んでいる。

10蒼い虹

キッチュなアナログ・シンセのイントロが印象的な8ビートのミディアム・ナンバー。つぶやき調のアンニュイなヴォーカルで、いつのまにか失ってしまった純粋な気持ちを、“蒼い虹”を思い描くように、再び輝きを取り戻そうと歌っている。

11SEASON

スネオヘアーの王道というべき、アップ・テンポのロック・ナンバー。ギターが存分にフィーチャーされていて、ギタリストとしての彼にも充分にスポットが当たっている。元気なサウンドとはうらはらに、詞はちょっとセンチな失恋物語だ。

12太陽

言葉をひとつひとつかみ締め“いつまでも側に居たいよ”というヴォーカルが感動を高めるミディアム・スロー・バラード。プロデュースは池田貴史（SUPER BUTTER DOG）で、ホーンをフィーチャーするなどソウルフルに仕上げている。

タイアップ

アーティスト

スネオヘアー
1971年5月6日生まれ、新潟県長岡市出身のミュージシャン、渡辺健二によるプロジェクト。2002年に「アイボリー」でメジャー・デビュー後、コンスタントに作品を発表しながらYUKI、新垣結衣らへの楽曲提供やサウンドプロデュース、サントラ／CM……

同時発売作品
スネオヘアー / スカート [CD+DVD] [限定]
ESCL-2931～2 3,630円（税込） 2007/02/21 発売

スネオヘアーの5thアルバム。シングル「headphone music」などを収録。タイトル名は、言葉の響きと母性の象徴という意味からとのこと。前作『カナシミ』の切なさを受け継ぎつつ、その先の前向きな……