ミニ・レビュー
デビューして5年のこれまでの作品からピックアップした、初のベスト・アルバム。エッジの利いたギター・サウンドに乗せた豪快な曲から、アコースティック・ギター中心のメロウな曲まで多彩だが、どの曲のメロディも歌詞もわかりやすく、そして熱い。
ガイドコメント
ロードオブメジャーの初となるベスト・アルバム。1stシングル「大切なもの」やNHKアニメ『メジャー』のオープニング曲などを収録。存在感のあるヴォーカルと、あざやかなメロディが魅力のロックを聴かせてくれる。
収録曲
01大切なもの
シンプルでキャッチーなポップ・パンク・ナンバー。爽快な重低音のベース・ラインと“少しずつでも前に向かって進んでいこう”というテーマがマッチして、勇気を与えてくれる。元気の良いコーラス・ワークも絶妙なアクセントとなっている。
02雑走
独特のクセのあるベース・ラインが特徴的なポップ・ナンバー。“どんな時にでも希望を持っていよう”というメッセージが、屈託のないヴォーカルとそれを煽るかのようなコーラスによって伝わってくる。威勢の良いギター・ソロも印象的だ。
03僕らだけの歌
さまざまな想い出と友達の大切さを歌った、ノスタルジックでハートフルな青春ソング。向こう見ずで明朗なバック・コーラスが、曲のテーマをうまく描き出している。骨太なベース・ラインとメロディアスなコード展開も耳に心地よい仕上がりだ。
04君がため
“君は君のままでいればいい、きっとうまくいくから”とのメッセージが歌われるパンク・ナンバー。淡々としたヴォーカルだが、ズシリと胸に響く重さを持っている。スピーディでシンプルなサウンドもなじみやすくて好印象だ。
05心絵
シンプルなコード進行とストレートな曲展開のポップ・ナンバー。情熱的なヴォーカルと扇情的なバック・コーラスとの掛け合いが、“夢に向かってひた走れ”というテーマをくっきりと描き出し、応援歌風の仕上がりになっている。
06偶然という名の必然
自問自答を輪廻のごとく繰り返す、悩ましげなヘヴィ・ロック・ナンバー。めまぐるしいヘヴィメタ調のギター・テクニックなど、多彩な技量が垣間見える。ハードなサウンドが渇望感をうまく表現している。
07親愛なるあなたへ...
自分が在ることに幸せを感じ、これまで関わったすべての人への感謝を込めたラブ・ソング。アコースティックのゆったりとした雰囲気で、人生をフラッシュバック。生の実感を噛み締める。ストリングスも華やかでいい。
08蒼天に向かって
誰にでもあるような弱さを汲んだ上での、励ましのメッセージが込められたパワー・ポップ・ソング。メロコアの心地良い疾走感、ポジティヴなテンションで鬱な気分をスッキリ解消。次の場所へのきっかけをくれるナンバー。
09さらば碧き面影
NHK人気アニメ『メジャー』のオープニング・テーマ。徐々に感情のレベルを上げながら、昂る情熱的な想いをドラマチックに表現。サビメロへ込めたほとばしる想いが、弱い気持ちへ勇気という希望を投げかけてくれる。
10ENERGY
あくまで夢に向かって歩き続けようという自らの決意を祝福するかのような、華々しいギター・リフが印象的なロック・ナンバー。情感豊かなヴォーカルにリンクする、盛り上げどころを的確にとらえたリズム隊にも注目だ。
11apasionado
緊張感あふれるウエスタン映画の決闘シーンを彷彿とさせる、ラテン風ギター・ピッキングによるインストゥルメンタル。歌詞はないが、彼らのテーマである“恐れずに前へ進もう”というメッセージがしっかりと伝わってくるポジティヴなサウンドだ。
12はじまりの場所
“強い決意を胸に抱いて、夢を掴みに行こう”と呼びかける、熱いメッセージ・ソング。恐怖心を振り払うようなスピード感のあるヴォーカルに、説得力が感じられる。パンキッシュなリズム隊とハード・ロック調のギター・リフの絡みも面白い。
13row、row、row
全編英詞で挑んだメタル風のパンク・ソング。新しい夢と目的を持った者の希望に満ちた心情が歌われるポジティヴな作風で、勇気が湧いてくる一曲だ。ねじれたベース・ラインと切れ味の鋭いギター・ストロークも聴きごたえがある。
14スコール
スピーディなドラミングと分厚いベース・ラインが爽快感を誘うハードコア風のパンク・チューン。とはいえ、ヴォーカルはしっかりとキャッチーなメロディを保ち、“君”から与えられる生きる力を感動的に歌い上げている。
15風歌
16Evolving!!
疾走感たっぷりのメロコア・ナンバーは、ラストまで弛緩なきテンション。そして、抜群の耳当たりの良さ。特にサビのコーラス・ワークが印象的だ。エッジの効いたギターと骨太なビートは、西海岸風パンクを思わせる。
17月の葉書
月の光に想いを馳せて紡がれる、黄昏哀愁ソング。弾き語りの柔らかな曲調に、ほんのりとバンド・サウンドが寄り添う。ヴォーカルの声立ちが明瞭で良いのに加え、気持ちの強さが感じられる熱いコーラスが、歌をより引き立てる。
18PLAY THE GAME
スケールの大きなハードロック・ナンバーで、BOWWOWの山本恭二が作曲・コーラスとプロデュースで参加。壁にぶつかってもつまづいても、それを乗り越え夢に向かって突き進もうと力強く歌い上げている。
19僕らの夜明け前
ノスタルジックなギターの音色と優しく響くシンセサイザーが特徴のロック・ナンバー。バンドのダイナミズムを作り出す、メリハリのあるドラミングも見事な出来栄えで、“くじけそうな時でも精一杯やってみよう”という言葉に説得力を持たせている。