ミニ・レビュー
男女デュオのユニットによる、ボサ・ノヴァやジャズ、レゲエなどにアレンジされたカヴァー・アルバムの2作目。一青窈や宇多田ヒカル、スピッツ、槇原敬之、荒井由実らの楽曲が、聴き手に心地よく滲みるアレンジで収められている。オリジナル曲も収録。
ガイドコメント
Sotte Bosseの2ndアルバム。前作同様、ナカムラヒロシの制作する爽快なトラックにCanaの切ない歌声を乗せた作品で、カヴァーのほかオリジナル曲も収録されている。
収録曲
01ハナミズキ
一青窈の代表曲である珠玉のバラードを、ジャズ的アレンジでカヴァー。日本的なメロディ・ラインとジャズやボサ・ノヴァのエッセンスとの融合が絶妙。一青窈の妖艶さとは対極とも言えるCanaのライトでホンワカとしたヴォーカルが新鮮。
02First Love
99年リリースの宇多田ヒカルの大ヒット・バラードのカヴァー。スティール・ギターの不思議な音色が印象的な浮遊感漂うサウンドと、透明感とハスキーさを合わせ持ったCanaの独特のヴォーカルが思わずクセになる。
03チェリー
スピッツの名曲にレゲエのフレイヴァーを盛り込んだ斬新なカヴァー。キーボードとアコースティック・ギターによるシンプルなサウンドが見事にハマっており、スピッツとはまた一味違ったポップ感を楽しむことができる。
04遠く遠く
美しくて優しいメロディとあたたかさと力強さが混在した詞で根強い人気の、槇原敬之の傑作バラードのカヴァー。曲冒頭のサビのメロディでのア・カペラは鳥肌モノ。Canaの独特で不思議なヴォーカルの魅力が凝縮されている。
05言葉にできない
オフコースの82年の大ヒット曲をカヴァー。スロー・テンポとシンプルな音使いにより、原曲のもつメロディの美しさが引き立っている。Canaのアンニュイなヴォーカルが創り出す独特の雰囲気は、まさに「言葉にできない」世界観。まずは聴いてみて欲しい。
06やさしさに包まれたなら
ユーミンの、荒井由実時代の代表曲をカヴァー。キーボードとギター、ドラムらによるシンプルなアレンジが、楽曲の雰囲気によく合っている。Canaのホンワカとしたヴォーカルもあいまって、まさに「やさしさに包まれた」ような心地よさだ。
07夜空ノムコウ
SMAPの代表曲であると同時に、90年代を代表するといえるナンバーをカヴァー。オリジナルの持つメロディの美しさや温かに満ちたイメージは残しつつ、華麗なストリングス・アレンジとCanaの独特なヴォーカルが、楽曲の新たな魅力を引き出している。
08メランコリニスタ
2006年リリースの、元JUDY AND MARYのYUKIのシングル曲を大胆にカヴァー。ポップでキャッチーなパーティ・チューンを、ちょっと切な気なアコースティック・ナンバーに変身させている。オリジナルにはない不思議な浮遊感がやみつきになる一曲。
09イージュー★ライダー
ファンの中でも特に人気の高い奥田民生の名曲に、独特のほのぼの感をミックスしたカヴァー曲。ゆったりとしたテンポが、魅惑的なCanaのヴォーカルによく合っている。大胆なアレンジを施したにも関わらず、奥田民夫作品の持つ「気だるさの魅力」は健在。
10hello
ポジティヴなメッセージが込められたポップ・チューン。繊細なタッチのキーボードと表情豊かなヴォーカルが絡み合うAメロは、耳あたりの良さバツグン。そこに重厚なギターやストリングスが重なり合うサビは圧巻。一曲で2度おいしい!