ミニ・レビュー
ファンのリクエスト投票上位曲により構成された、デビュー25周年記念ベスト・アルバム。ピカピカのアイドルだった80年代から、アーティスト色を強く出した90年代の代表曲に加え、初CD化となる「あたしンちの唄」や名曲のリミックス「なんてったってアイドル(K25 Remix)」なども収めたファン必携盤。
ガイドコメント
デビュー25周年を記念した小泉今日子のベスト・アルバム。これまで何度もベスト盤は発表されてきたが、本作は初となるファンのリクエストによって選曲されたもの。絶品のポップ・ソングが満載だ。
収録曲
01あなたに会えてよかった
カラオケの大定番となっている、別れた恋人におくった歌詞が印象的な恋愛ソング。田村正和と小泉今日子が親子を演じたTBS系ドラマ『パパとなっちゃん』主題歌で、凛とした強さと優しさを感じさせる名曲。
02木枯しに抱かれて
カラオケの定番となっているキョンキョンのバラード。それまでの王道アイドル然とした曲とは一線を画している。高見沢俊彦によるこの曲は、キョンキョンのキャリアをまた一段ステップアップさせた。
03優しい雨
小泉今日子主演のドラマ『愛するということ』の主題歌。思いもかけずに出会った二人の運命の恋を、しっとりと歌い上げる大人のバラード。アイドルから脱皮した大人の女性=小泉今日子によく似合う。
04なんてったってアイドル
アイドルと言えばキョンキョン、キョンキョンと言えばこの曲、という女性アイドルの歴史上もっとも重要と言っても過言でない超名曲。80年代に青春時代を過ごした男性の記憶は、この曲とともにある。
05学園天国
フィンガー5の名曲をカヴァーし、同名の学園ドラマの主題歌として起用されたアップ・テンポなダンス・チューン。活発なキョンキョンのイメージにバッチリ合っている。映画『ウォーター・ボーイズ』挿入歌としても話題に。
06The Stardust Memory
高見沢俊彦が作曲した正統アイドル路線の胸キュン・ポップ・ナンバー。爽やかなシンセ・ストリングスのイントロとサビのリフレインが印象的だ。キョンキョン本人主演の映画『生徒諸君』の主題歌で、オリコン第1位を獲得した。
07ヤマトナデシコ七変化
フラメンコ調のギターに「純情・愛情・過剰に異常」という摩訶不思議な女性コーラスのイントロ。これぞ歌謡曲というアレンジにキョンキョンの甘え上手なヴォーカルがベスト・マッチした、オリコン第1位を獲得した佳曲。
08夜明けのMEW
秋元康作詞、筒美京平作曲の切ないラブ・ソング。子猫になぞらえた“MEW”という謎の女の子に向けて、トップ・アイドルのキョンキョンが“僕”の一人称で歌いかけるスタイルが新鮮。1986年7月発表、オリコン第2位を獲得。
09My Sweet Home
小泉今日子主演のTBS系ドラマ『SWEET HOME』の主題歌。小林武史らしいポップな曲に、キョンキョン自らの作詞による、これまたポップで優しい歌詞が印象的な楽曲。心からホッとするような温かさに満ちている。
10迷宮のアンドローラ
アイドルのシングルとしては異色ともいえるマイナー・キーのテクノ・ポップ。当時最先端のシンセ・サウンドを駆使したスペーシーなアレンジが効いている。長岡秀星の同名画集のイメージ・ソングとして制作された。1984年6月発表、オリコン第1位を獲得。
11艶姿ナミダ娘
元祖エロかわアイドル・キョンキョンの歌唱、コピーライティングの手法で書かれた歌詞、ファンキーなホーンと女性コーラスがちりばめられたアレンジ。すべてが80年代アイドル歌謡曲の傑作といえる一曲。
12水のルージュ
ギターのカッティングとシンセ・ドラムがミステリアスな雰囲気を醸すナンバー。カネボウ化粧品のタイアップ・シングルでタイトルがキャッチ・コピーになっており、CMにはキョンキョン本人も出演し話題となった。
13月ひとしずく
奥田民夫と井上陽水の共作による軽やかなギター・ポップ・チューン。キョンキョンのさらさらした歌声をダブル・ヴォーカルで聴かせるところが憎い。本人出演のTBS系ドラマ『僕が彼女に、借金をした理由。』の主題歌。1994年11月発表。
14まっ赤な女の子
作詞・康珍化、作曲・筒美京平の80年代黄金コンビによるコケティッシュなポップ・ナンバー。当時、ポスト聖子と言われていたキョンキョンの鼻にかかった極甘ヴォーカルが初々しい。5枚目のシングルとして1983年5月に発表され、オリコン第8位を獲得。
15ハートブレイカー (Short Version)
シアトリカルなアレンジが特徴のハード・ロック・チューン。メタル・ギターを組み伏すほどアグレッシヴなキョンキョンの歌唱が聴きどころ。1985年6月に12インチ・シングルとしてリリース、オリコン第6位を獲得した。本作はEPレングス・ヴァージョン。
16渚のはいから人魚
彼女がアイドルとして全盛期を迎えていた頃の代表曲で、日本アイドル史にその名を刻んだ名曲。“キュートなヒップにズキンドキン”というフレーズをこれほど可愛く歌えるのは、後にも先にもキョンキョン以外にいないだろう。
17キスを止めないで
ビートルズの「ペニーレイン」を思わせるブラスのフレーズとキャッチーなメロディ、キョンキョンの力強いヴォーカルが耳に残るポップ・チューン。1987年10月にリリースされ、オリコン第1位を獲得。作曲者の野村義男にとっては出世作となった。
18魔女
80年代にアイドル・ポップスの大ヒットを連発した松本隆&筒美京平コンビのペンによる王道ナンバー。恋に憧れるティーンエイジャーの切ないストーリーは、当時のキョンキョンのイメージそのもの。1985年7月発表、オリコン第1位を獲得。
19あたしンちの唄
テレビ朝日系アニメ『あたしンち』オープニング・テーマ。当初はネット配信のみのリリースも、『K25 KOIZUMI KYOKO ALL TIME BEST』のボーナス・トラックとしてCDに初収録。1コーラスのみの短い楽曲ながら、ほのぼのしたメロディとキョンキョンの温かい歌声に心がほっこり。
20なんてったってアイドル (K25 Remix)
キョンキョンの代名詞曲をQYPTHONEの中塚武がリミックス。ブレイクビーツをベースに、クイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」のドラム・パターンをサンプリングしたり、遊び心満載。はじけたヴォーカルを活かしたパーティ・ミックスに仕上がっている。