ミニ・レビュー
結婚後初となる3年ぶり、3枚目のアルバム。ビートを利かせたポップ・パンク調の曲をメインにした構成は、元気で健康的なキュートさが売りの彼女のイメージとリンクしている。数曲あるバラードもいいスパイスになっているガールズ・ロックの秀作。
ガイドコメント
“超最高”という意のタイトルを冠したアヴリル・ラヴィーンの3rdアルバム。“ライヴで演奏して楽しい曲”を念頭に置いて制作されたとあって、躍動感あふれるナンバーが満載。夫のデリック(SUM 41)も数曲で参加している。
収録曲
01GIRLFRIEND
日本語などの多言語ヴァージョンも話題の、Dr.ルークのプロデュースによるアッパーなポップ・パンク・チューン。ラップの要素も取り入れ、“あなたのガールフレンドになりたい”と熱烈にアピールする詞に、男性陣はK.O.確実だ。
02I CAN DO BETTER
70年代ニューヨーク・パンクをどことなく彷彿とさせるロックンロール・ナンバー。ドライヴ感あふれるサウンドに乗り、“あなたとはお別れよ、その方が上手くいくわ”と、男には手厳しい別れの言葉を力強いシャウトで投げ掛けている。
03RUNAWAY
ビートを利かせたサウンドをバックに歌われるミディアム・ロック・チューン。“つまらない日常をすべて投げ出し、ここから逃げるのよ”という、多くのティーンエイジャーが考えたことがあるだろう、現状打破を願う気持ちがテーマだ。
04THE BEST DAMN THING
アヴリル自身が好きだという“チアガール系の音楽”そのものといった感じのキャッチーなアッパー・チューン。「あなたが出会った中で、私が“超最高の女の子”」なんて高ビーな詞も、彼女が歌えば納得。元気でハッピーな気分になれる一曲だ。
05WHEN YOU'RE GONE
元ペンギン・カフェ・オーケストラのギャヴィン・ライトがコンサート・マスターを務めてアビーロード・スタジオで録音された、壮大なストリングスを導入したバラード。切ない別れの詞に感情を込めて歌う姿に、大人のアヴリルを感じる1曲。
06EVERYTHING BACK BUT YOU
ハイテンションかつ軽快なロックンロール・サウンドをバックに歌われるポップ・パンク・ナンバー。ちょっと間抜けな行動から浮気がバレた彼に愛想をつかせる女の子の心情を、アヴリルらしい強気な一面を覗かせて描いている。
07HOT
ハードなギター・リフに引っ張られるように歌われる、熱く扇情的に迫ってくる女の子の姿を描写した詞がエロティックな想像をかき立てる。表情豊かな歌唱も含め、シンガー/ソングライターとしての成長の跡がうかがえるナンバー。
08INNOCENCE
BECKの父親でもある作・編曲家のデヴィッド・キャンベルがアレンジを担当した、ストリングスを取り入れたバラード。愛する人にめぐり会えたときに感じる純粋な喜びを、しっとりとそれでいて確信的に歌い上げる姿が印象的な美しい曲。
09I DON'T HAVE TO TRY
イントロのラップに象徴されるヒップホップのエッセンスとヘヴィかつハードにドライヴするギター・サウンドが違和感なく溶け込んだ、アヴリル流ミクスチャー・ポップ・パンク。ハイテンションで叫ぶヴォーカルにも注目だ。
10ONE OF THOSE GIRLS
2006年にアヴリルの公私にわたるパートナーとなったデリック・ウィブリーがプロデュースやミックスを担当したハイパー・ポップ・ロック・チューン。本当の恋に気付かない女友達、男友達を心配する女の子の想いが歌われている。
11CONTAGIOUS
アヴリルのダンナ様、デリック・ウィブリーのプロデュースによるキュートかつ爽やかなポップ・ナンバー。運命の人に出会えた幸福感をストレートに綴った詞には、新婚ホヤホヤのアヴリルとデリックの心情が投影されている。
12KEEP HOLDING ON
2006年暮れに公開された映画『エラゴン 遺志を継ぐ者』の主題歌となったナンバー。壮大なストーリーにふさわしいスケール感たっぷりの楽曲を、余裕すら感じさせる堂々としたヴォーカルで美しく歌い上げた珠玉のバラード。
13ALONE
エッジの効いたリフを奏でるギターに導かれてハイテンションな歌唱を炸裂させる、アルバム『ベスト・ダム・シング』の日本盤ボーナス・トラック。強気な面とキュートさが自然に融合した、彼女らしさ全開のポップでキャッチーなメロディが光るアップ・ナンバー。