ナイン・インチ・ネイルズ / イヤー・ゼロ〜零原点… [デジパック仕様]

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ナイン・インチ・ネイルズ / イヤー・ゼロ〜零原点… [デジパック仕様]
CD
ミニ・レビュー
2年ぶりのアルバム。かつて感じた、錐で揉み込むような痛々しさ、毒気は薄らいだが、その代わりに終末観をテーマにしつつも、それに立ち向かう前向きな逞しさが音にも詞にも表われている。NINの新たな始まりを告げるインダストリアル・ロックの秀作。
ガイドコメント
インダストリアル・ロックの雄、ナイン・インチ・ネイルズの、前作から約2年ぶりとなるアルバム。“世界の終わり”をコンセプトに、またも独自にして孤高の才能が浮き彫りにされている。
チャート
  • TOWER RECORDS 渋谷 アルバム総合
    6位 (2007/4/23)  ⇒  9位 (4/30)  ⇒  30位 (5/7)  ⇒  28位 (5/14)
  • TOWER RECORDS 新宿 アルバム総合
    5位 (2007/4/23)  ⇒  10位 (4/30)  ⇒  18位 (5/7)
  • TOWER RECORDS 札幌 アルバム総合
    6位 (2007/4/23)
  • TOWER RECORDS 名古屋 アルバム総合
    6位 (2007/4/23)
  • TOWER RECORDS 大阪 アルバム総合
    5位 (2007/4/23)  ⇒  10位 (4/30)
  • TOWER RECORDS 福岡 アルバム総合
    8位 (2007/4/23)
  • TOWER RECORDS ロック&ポップス アルバム
    4位 (2007/4/23)  ⇒  6位 (4/30)  ⇒  8位 (5/7)  ⇒  11位 (5/14)
収録曲
01HYPERPOWER!
マーチング・ドラムが勇壮なリズムを叩き出し、そこに折り重なるようにギターとスクリーム・ヴォイスを模したマシーンの音がノイジーな響きを奏でる。有機的な肉体と無機質な機械のせめぎ合いを表わした、ヘヴィなインスト・ナンバー。
02THE BEGINNING OF THE END
神の御前に跪き審判と救済を乞う人類に冷ややかな視線を投げ掛けつつ、終わりの始まりだと告げるキリスト教的世界観に依ったナンバー。サウンドはノイジーかつヘヴィだが、メロディはポップで親しみやすい。
03SURVIVALISM
国家の前では個人も歯車のひとつでしかないことを自覚しつつ、生き残ることが一番大事とうそぶく歌詞。軍隊に象徴される直接的な暴力だけでなく、言論による暴力も蔓延する社会に対する怒りが込められたヘヴィ・チューン。
04THE GOOD SOLDIER
何事もなく当たり前のように暮らしていた街並みが突然戦場と化し、そこに兵士として送り込まれた男の姿を通して、極限状態にある人間の懊悩(おうのう)が描かれる。トレント・レズナーのトーンを抑えたヴォーカルと控えめなサウンドが効果大。
05VESSEL
“ヴェッセル”とは「神の恵みや怒りを受ける器としての人間」という意味。絶対的な存在である神と対峙した人間の苦悩や抗い、そして確信的な想いが、ダークなインダストリアル・サウンドをバックに綴られる重厚なナンバー。
06ME, I'M NOT
歯止めの利かない欲望と理性の間で揺れる男の心情を綴った抽象的な詞は、受け取り方によってパーソナルな視点にもグローバルな視点にも置き換えられる。現代社会の閉塞感や歪みを描いたインダストリアル・ロック。
07CAPITAL G
キャピトルGの“G”とはジョージ・ウォーカー・ブッシュの“G”か。現職米大統領への痛烈な批判に貫かれた、トレント・レズナーによる怒りの一撃。重層的に折り重なるサウンドのメタリックな感触が、ズシリと胸に響くヘヴィ・チューン。
08MY VIOLENT HEART
モノローグのようなヴォーカルで始まり、ブリッジ・パートで一転、溜め込んだ怒りや不安を吐き出すかのような激しいヴォーカルとノイジーなインダストリアル・サウンドが襲い掛かる、静と動の対比が鮮やかなヘヴィ・チューン。
09THE WARNING
肥大する欲望の果て、世界のどこかで紛争は絶え間なく続けられ、環境破壊は加速していく。破滅の道を進む愚かな人類、疲弊する地球への警鐘が、ヘヴィかつノイジーなインダストリアル・サウンドをともなって打ち鳴らされるナンバー。
10GOD GIVEN
選民意識すらほの見える、クリスチャンとアンチ・キリストの相克を想起させる強烈な歌詞が印象的。ダンサンブルなメロディとメタリックな感触に彩られた無機質なサウンドもバランスよく溶け合っている。
11MEET YOUR MASTER
“マスター(主人)”とは何者か? 権力を奪取した民衆か、人類に使われる立場から使う立場へ登り詰めた高度なマシンか。聴き手の想像力を無限に喚起、膨らませてくれる、ノイジーかつ攻撃的なインダストリアル・ロック。
12THE GREATER GOOD
インダストリアル・ミュージックにミニマル・ミュージックをミックスしたサウンドは、緊張や不安、そして安息が入り混じった奇妙な感覚をもたらす。トレント・レズナーの新たな側面が表われた一曲。
13THE GREAT DESTROYER
すべてを見透かしたかのような冷ややかさで「偉大な破壊者」だと宣言するレズナーのヴォーカル。それと神経を逆なでるきむしるような不協和音を多用したヘヴィかつノイジーな音の洪水とが鮮烈なコントラストを描きながら迫り襲いくるナンバー。
14ANOTHER VERSION OF THE TRUTH
ノイズ混じりのエレクトロ・サウンドが流れるなか、厳粛な雰囲気すら漂わせたメロディをピアノが奏でるインストゥルメンタル・ナンバー。作曲家・サティへのレズナー流オマージュか、破滅の道を進む人類へのレクイエムか。答えは聴き手の中に。
15IN THIS TWILIGHT
重く垂れ込むノイジーなインダストリアル・サウンドが空間を覆うなかで、穏やかながらも強い意志を感じさせるレズナーのヴォーカルが救いの手を差し伸べるように迫る。終末観とロマンティシズムが結合した詞も美しい。
16ZERO - SUM
すべてが無に帰る終末の日を迎えた時、人は何を感じ、何を考えるのか。欲望の赴くまま愚かな行為を繰り返してきたことを悔い、神に慈悲を乞う人間の姿を描いたこの曲は、そんな疑問を投げ掛けてくる。アルバム『イヤー・ゼロ〜零原点…』のラストを飾るにふさわしいナンバー。
仕様
デジパック仕様
封入特典
  • 解説・歌詞・対訳
アーティスト
  • ナイン・インチ・ネイルズ
    米・クリーヴランド出身のインダストリアル・ロック・バンド。トレント・レズナーを中心として1988年に始動し、翌年に『プリティ・ヘイト・マシーン』でアルバム・デビュー。94年の『ザ・ダウンワード・スパイラル』が全米2位、99年の『ザ・フラジャ……
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