ミニ・レビュー
ベテラン3ピース・バンドのアルバムは、ロックの原点である胸踊る楽しさをギッシリ詰め込んだ快作。軽快なギター・ロックを中心に、心地よいビートにのせて未来に向けて目覚めろ! と歌いかける。アメリカン・グラフィティ風ジャケットもオシャレ。
ガイドコメント
エイベックス移籍後初のオリジナル・アルバム。マイ・ペースなテンションを保ちつつもカラフルなポップ・ロックを聴かせる、ピロウズの真骨頂的サウンドが満載。極上のラブ・ソングからロックンロール・ナンバーまで、バランス良く楽しめる会心作だ。
収録曲
01ウェイク・アップ・ドードー
柔らかなヴォーカルとハーモニーで奏でるポップ・ロック・ナンバー。トロピカルなイメージを喚起させるギター・リフに弾けるビートを交え、新しい僕を探して未来に向かって目覚めよと軽やかに歌いかけている。
02ヤングスター (ケント・アロウ)
軽やかなハンドクラップを打ちながら流れるようにロックンロールしている“Boy meets rock”の青春ソング。昨日までの自分を越えて、愛と希望をもって歩き続けようと明るくメッセージしている。
03プロポーズ
ちょっとダークで気だるい雰囲気のなか、連想ゲーム風の言葉遊びで歌うチャック・ベリー・スタイルのロックンロール・ナンバー。巻舌ヴォーカルがプロポーズのテレと不安な気分を表わしているかのようだ。
04スケアクロウ
淡々と鳴らされるツイン・ギターと朴とつとしたドラムで奏でられるオルタナ・ロック。通りいっぺんのメッセージではない骨のあるフレーズが、メロディとともに心の奥底まで染みていく。ギター・ロックのまさにド真ん中をいくナンバーだ。
05ボート・ハウス
鼻歌っぽいヴォーカルとメロディがぴったり似合う、明るく軽やかなポップ・ロック・ナンバー。こんなバカバカしい歌を歌ってすねている自分をたった一人理解してくれる、キミへの愛をファンタジックに伝えている。
06プレジャー・ソング
軽やかなリズム隊が心地よく疾走するポップ・ロック・チューン。青春時代特有の孤独や不安を感じてもがいたこともあったが、心に咲いた希望を疑わないで育ててきたと、自分の音楽への決意を表わしている。
07シリアス・プラン
魔法のように素敵な言葉をちりばめたポエティックでファンタジックなラヴ・ソング。なんとかキミを口説き落とすプランを考案中という歌だが、こんなに素晴らしい歌を作ってくれたら、もうこれでOK間違いなしだろう。
08スキニー・ブルース
疾走感あふれるビートに乗って軽やかに歌うラヴ・ソング。キミとのロマンティックなランデヴーでもなかなか思うようにいかず、男女の違いに振りまわされながらも、男として成長していく姿を描いている。
09プライべート・キングダム
アコースティック・ギターを活かしたミディアム・テンポのロック・ナンバー。男の子が夢見る自分だけの王国を作り上げ、猿を家来にして戸棚にコウモリ。こうして完璧な自由を獲得したのに、思うことはキミのこと……という内容。
10センチュリー・クリーパーズ (ボイス・オブ・ザ・プロテウス)
不安を煽るような不気味なサウンドが揺れ動くビート・ナンバー。虚無の世界、暗闇のなかでうごめきながらも“いつかここを抜け出したい全身全霊で”と緊迫感あふれたヴォーカルでシャウトしている。
11スイート・バギー・デイズ
心地よいテンポでゆったりと歌い上げるフォーク・ロック風のナンバー。自分だけの城を作り、猫を飼ってありったけのアンプを集めてサロン・ミュージックを鳴らしたい、そしてキミを思い出す……という夢を綴っている。