ミニ・レビュー
ナニワの燃える7人衆のファースト・アルバムは、音と言葉の総合エンタテインメント。話題のラブ・ソング「愛しい人へ」は、コテコテ関西弁でユーモアを交えた優しさにジーンときてしまう。大阪より愛と魂をこめた他11曲も、メッチャ素敵でカッコいい。★
ガイドコメント
7人組ヒップホップ・グループ、ET-KINGの1stアルバム。レゲエやスカなど多彩なテイストを採り入れたカラフルなサウンドと、それぞれの個性を活かした5MCによるラップが聴きどころだ。
収録曲
[Disc 1]
01愛しい人へ
02Like A Wind
インディ時代は打ち込みが多かった彼らだが、本作は生楽器の温かみを活かしたポジティヴなフォーク・ロック。ソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉がキーボードで、TUFF SESSIONのKuri-Changがギターで参加している。
03スーパーカー
男の憧れであるスーパーカーをテーマに、エネルギッシュに展開されるアゲアゲなヒップホップ。キップを切られかねないほどのスピードと勢いのあるMC。この疾走感が彼ら持ち味のひとつであり、大きな魅力になっている。
04ドーナッツ
ハイテンションで、勢いがあって、荒削りで……、そんな彼らの強烈な個性をストレートに打ち出したパーティ・チューン。ヒップポップの枠にとらわれない、自由度の高い衝撃のメジャー・デビュー・シングル。
05SUNSET
KREVAのトラック制作をしているevisbeatsとの共同プロデュースで、鮮やかな輪郭を描くピアノの生音が印象的。ハッピー・ヴァイブスに包まれたヒップホップで、この温かな味は彼らならではのサウンド・デザインだ。
06ホルモンSOUL
炭火の煙がもや〜と立ちこめてきそうな、大阪人ならではのコテコテ感と遊び心が全開のディープなヒップポップ。メンバー全員がホルモンをこよなく愛していると思われる等身大のリリックから目に浮かんでくるのは、彼らが肉をほおばる姿だ。
07DANCE KING
踊ろう、オールで腰が抜けるまで! もちろん舞台は小洒落たクラブなんかじゃなく、フロアに飛び散る汗も爽快な、ミラーボールがケバく回るディスコでキマり。思わず身体が動き出す、ET-KING流のイカしたダンス・ナンバーだ。
08纒
大阪大国町と記されたハッピを身にまとい、「お祭り」であるライヴで繰り広げられる泣き笑いのドラマ。その中で勢いよく歌われてきた彼らのテーマ・ソングともいえる等身大のヒップホップ。5MC+1DJが魅せる個性的なアクトが楽しめる。
09どまくれ酒
酒で失敗しても、飲むことはやめられない。愛すべき酒飲みたちに捧げるユーモラスなナンバー。“飲め 吐け 死ぬまで飲め酒”とDJ・コシバKENのはしゃぎっぷりが面白い。このリリックで我が身を振り返り、共感する人も多いはず。
10Beautiful Life
11たいまつ
泣き笑いを含んだ彼らのライヴでの、特に泣きの面を強く感じさせるナンバー。DJ BODDYとイトキンによる静謐なトラックが放つ内に秘めた熱さと、お祭り好きの彼らの内面を歌ったリリックがバランスよく絡む。その印象はいたって真摯だ。
127ドアーズ・バス
プロデューサーにSHANTY-NOBを迎え、市原大資、村田亮、西内徹(Reggae Disco Rockers)が心地よい音を奏でる。彼らのエンタテインメント性を感じさせる“LOVE&SOUL”てんこ盛りの、ゴキゲンなスカ・ナンバー。
[Disc 2]〈DVD〉
01愛しい人へ (Video Clip)
02麒麟淡麗 (生)CM映像集