ミニ・レビュー
“男まさり”と言うのか、なかなかに猛烈なベートーヴェンである。多分この人は、小奇麗にまとまったものや、訳知り顔の深々とした演奏ではなく、もっと攻撃的なものを目指しているのかも。32番の変奏曲が、ブッ飛んだテンポでスウィングするのも面白い。
ガイドコメント
ドイツのベートーヴェン研究の第一人者ユルゲン・ウーデの元で研鑽を積んだ深井尚子の、本場じこみのベートーヴェン演奏第2弾。第1弾の三大ソナタに続き、「テンペスト」「ワルトシュタイン」作品111で、熟成のピアニズムを聴かせている。
収録曲
ベートーヴェン:
01ピアノ・ソナタ ハ短調op.111
02ピアノ・ソナタ ニ短調op.31-2「テンペスト」
03ピアノ・ソナタ ハ長調op.53「ワルトシュタイン」