ミニ・レビュー
2年ぶりのアルバムは、さらにダンサブルな全12曲のヒップホップ作。ジャケットはムチを持った制服姿の安室がフォトジェニック。シングルのPVや本人がツボにはまった脱力系CGアニメとコラボした映像を収録したDVD付き限定盤もあり。
ガイドコメント
2007年6月発表のアルバム。「Baby Don't Cry」や「FUNKY TOWN」などのヒット・シングル4曲を中心に、軽快なダンス・ナンバーが満載。ヒップホップ/R&Bの女王の健在ぶりをアピール。
収録曲
01HIDE&SEEK
鼓笛隊パレードを思わせるセンセーショナルなイントロで幕を開ける、Nao'ymt制作によるバウンスの効いたR&Bチューン。恋の駆け引きを“カクレンボ”に喩えた曲で、ボトムとともにうねる安室のヴォーカルが妖しい。
02FULL MOON
風雲急を告げるかのごとくのダークな雰囲気が立ち込めるヴァースは、“Hip-Pop”へシフトした新生・安室の真骨頂。闇に光る満月の夜の妖しさとパーティでの享楽を、アンニュイかつコケティッシュに歌う彼女には脱帽。
03CAN'T SLEEP、CAN'T EAT、I'M SICK
04IT'S ALL ABOUT YOU
T.Kura&michico夫妻制作のエッジを強調したロック・テイスト・チューン。自己中心的な男に振り回されてきた女性の呆れ果てた心情と怒りを、突き刺さるようなタテノリ・ビートとヴォーカルで畳み掛ける三行半ソング。
05FUNKY TOWN
06STEP WITH IT
詞曲とバック・ヴォーカルにL.L.Brothersが参加した、ダンサブルなR&Bチューン。T.Kura擁するプロダクション“GIANT SWING”制作曲の王道を行く、叩きつけるようなバウンス・ビートに映える艶かしい安室のヴォーカルが肝。
07HELLO
イニシアティヴを女性に奪われた男性のイライラを電話をテーマにして綴った、ダンサブルなR&Bチューン。“話があるならメッセージに残しておいて、気が向いたら掛け直すから”という男性にとっては痛烈な通告をサラリと歌う安室に、女性の強さと恐さを覚えるかも。
08SHOULD I LOVE HIM?
愛する気持ちに偽りはないものの、住む世界や生き方が違い過ぎる彼との恋人関係に悩む心理を歌ったスロー・バラード。葛藤にさいなまれる虚ろ気でナイーヴな心境を的確に描写した、安室のヴォーカル・スキルが堪能できる佳曲。
09TOP SECRET
Nao'ymt制作による攻撃的なビートとスリリングな展開が特色のアッパーR&Bチューン。女性を欲する男に“ならば私の心の鍵を開けるパスワードをゲットしてみせて”と挑発する内容で、吐息とメイン・ヴォーカルの掛け合いがなんとも絶妙。
10VIOLET SAUCE (SPICY)
11BABY DON'T CRY
12PINK KEY
心のモヤモヤが晴れずに立ち止まっていた人たちへ、“この先へ進める扉の鍵を開けよう”と背中を押してくれる詞に勇気をもらえるナンバー。冒頭の鐘の音やキュートなアレンジから、結婚へと踏み出せない女性たちへの応援歌にも聴こえる。