ミニ・レビュー
デビュー・シングルから2007年7月発表のシングルまで10枚のシングル曲のほか、アルバム収録曲やシングルのカップリングなどの話題曲をリリース順に収録。並びはシンプルだが珠玉の名曲集に仕上がっている。福耳の「惑星タイマー」を大橋卓弥が全パートをカヴァーして「惑星タイマー」に収録。★
ガイドコメント
スキマスイッチ初のベスト・アルバム。デビュー作「view」やヒット・シングル曲「全力少年」「アカツキの詩」などが楽しめる。「惑星タイマー」は未発表ヴァージョンを収録。
収録曲
01view
2003年発表の記念すべきメジャー・デビュー曲は、スピード感のあるストリングスや、かき鳴らされるアコギでスリリングな展開の一曲。歌詞にはラフな言葉を使ったりと、音や詞から強気の男気があふれでている。
02君の話
情熱的なパーカッションと力強いピアノの上を流麗なフルートがしなやかに躍動するアップ・テンポなナンバー。明るい曲調とは対照的に、歌詞は他人と理解しあうことの難しさを描写。このシュールな感覚が実に痛快!
03奏 (かなで)
彼らの2rdシングルで、奥ゆきのあるピアノ・バラード。ストリングスが丁寧に配されたサウンドで、切ない歌詞が心を揺さぶる。スキマスイッチの存在を一躍知らしめた珠玉のナンバー。
04ふれて未来を
2004年発表の4thシングル。ソウルフルな持ち味が見事に昇華されたポップな佳曲。ファルセットで歌われるサビも聴くたびに快感に。「ふれて未来を」というフレーズに対し、韻を駆使した歌詞も聴きどころ。
05冬の口笛
ソウル・テイストを下地に甘いサウンドを聴かせる2004年冬にリリースされたバラード・ナンバー。ゴージャスなストリングスのアレンジが、クリスマス・シーズンを彷佛とさせる。
06全力少年
常田の軽快なピアノの演奏に豪華なストリングスとホーン、そして優しい音色のハープが絡むアッパー・チューン。“若さゆえのまっすぐな行動力と情熱”をテーマにした詞が、奥行きのあるサウンドの中、大らかな歌声で綴られている。
07雨待ち風
失恋での傷心を繊細な音に溶かし込んだ温かなバラード。ピアノの演奏を背景に綴られる、儚い夏の風景と別れた女性を思う心をシンクロさせる詞が物悲しい。デビュー当時に作られ、何度もアレンジを加えてきたメロディには、彼らの成長がうかがえる。
08キレイだ
エレキ・ギターやパーカッションの熱いサウンドと切れ味のある歌声が情熱的なアッパー・チューン。“クオリティや面白い音楽を追求したい”という彼らの音が爽快に響いてくる。w-inds.に提供した曲のセルフ・カヴァー。
09飲みに来ないか
ライヴでもなじみのある、元気なポップ・チューン。喧嘩をした彼女の浮気を心配しつつも、“謝って先に引きさがんのもシャクだ”と男のプライドを覗かせる素直な詞が可愛い。思わず口ずさみたくなる覚えやすいメロディが印象的だ。
10ボクノート
映画『ドラえもん-のび太の恐竜2006』の主題歌としてファン層を広げた、エポック・メイキング的作品。少年期のナイーヴさと定まらないアイデンティティに翻弄される姿を唄った本作は、まさにのび太そのもの。
11ガラナ
これまでのスキマとは違うハイテンションなアッパー・チューン。あだち充原作の映画『ラフ』主題歌で、のっけから力強いヴォーカルがさく裂。小気味良いギター・サウンドと恋にエンジン全開の歌詞が気分爽快!
12スフィアの羽根
2006年ABC“夏の高校野球”統一テーマ曲。甲子園球児たちにぴったりの、爽やかミディアム・チューンだ。「待ってないでラインに立って」というサビは、誰もが勇気の出る応援歌という感じだ。大橋卓弥の柔らかヴォイスが最高。
13アカツキの詩
9thシングルは、アコギとピアノとフルートの音色が印象的な、温かい雰囲気のミディアム・ナンバー。自然に身体が左右に揺れるような気持ちがほぐれるサウンドだが、詞は“君”をなくしてしまった“僕”の後悔の念を綴っていて、胸がキュンとなる。
14惑星タイマー
福耳としてリリースしたシングル曲の全パートを大橋卓弥が歌ったミディアム・ポップ。独特のリズミカルな歌い回しや詞の乗せ方が、新鮮な雰囲気を作っている。また、ブラスやストリングスを巧みに取り入れた演奏が、全体に厚みを生み出している。
15マリンスノウ
ピアノ・ソロから始まる“マリンスノー”をイメージした失恋ソング。“思い出の重さで泳げない”“涙も叫びも深海が奪っていく”など、素敵な歌詞が、心に響くせつない歌声と極上のメロディで歌われる究極のバラードだ。