ミニ・レビュー
往年の名手が愛奏してきた難曲に取り組んだ意欲作。といっても、難技巧をひけらかすことはなく、実にサラリとした風情だ。「スペイン民謡組曲」も民俗臭は稀薄で、コッテリ系が好きな人は淡白に感じるかもしれないが、クールな表面の内側に煌く吉田恭子の秘めた情熱を聴き取りたい。
ガイドコメント
ワーナーからの4作目で通算6作目となるアルバム。吉田のテクニックと歌心、そして持ち前の美音を存分に聴かせる曲が集められた小品集で、過去3作で共演している白石のピアノをバックに、伸び伸びとした演奏が展開されている。
収録曲
01カルメン幻想曲 (フーバイ)
02言葉のないロマンスと優雅なロンド (ヴィエニャフスキ)
03ロマンス (ヴィエニャフスキ)
04スペイン民謡組曲 (ファリャ)
05華麗なるポロネーズ第1番ニ長調 (ヴィエニャフスキ)
06妖精の踊り (パッツィーニ)