ミニ・レビュー
生前坂井泉水がカップリング&アルバム曲から“直感で選んだ”というお気に入り作品を中心に、シングル曲も含めて選曲されていた追悼ベスト盤。躍動感あふれるリズム・トラックと温かみのあるヴォーカルが、聴く人のハートを永遠に包み込んでくれる。
ガイドコメント
カップリング&アルバム収録曲の中から、坂井泉水が「直感で選んだ」というお気に入りのナンバーを中心に選曲したアルバム。ヒット曲を集めたベスト盤とは異なり、彼女の想いがより強く感じられる一枚だ。
収録曲
[Disc 1]
01あの微笑みを忘れないで
ハード・ロック・バンド、FEEL SO BADのヴォーカルで、愛内里菜などへの楽曲提供でもお馴染み、川島だりあ作曲によるロック・チューン。坂井の優しい声がスパイスとなって、丸みのあるポップスに仕上がっている。
02黄昏にMy Lonely Heart
ディストーションをバリバリに効かせたエレキ・ギターと切なく悲しい詞とのミスマッチが楽しい、ミディアム・テンポのロッカ・バラード。アレンジはやや変化球気味だが、キャッチーで美しいメロディはもちろん健在。
03愛が見えない
95年リリースの大ヒット・シングル。一度聴いたら忘れない印象的なメロディは歌謡曲、スピード感と打ち込みサウンドはユーロビート風、パワフルなギター・サウンドはロック……と、J-POPのあらゆるエッセンスがこの一曲に凝縮されている。
04サヨナラは今もこの胸に居ます
95年公開の映画『白鳥麗子でございます!』の主題歌で、オリコン1位を獲得した大ヒット・シングル。一度聴いたら忘れられない美しくてキャッチーなメロディ、そしてクールさと温かさを兼ね備えたヴォーカルは、まさにZARD節。
05ひとりが好き
シンプルで力強い8ビートのギター・サウンドに乗せた、キャッチーで美しいメロディが秀逸なミディアム・バラード。ガラスの破片が飛び散る効果音やキュートで切なげなコーラスの使いどころが絶妙。伸びやかで透明感のあるヴォーカルも冴えわたる。
06あなたに帰りたい
切なく悲しげなピアノのフレーズが胸に刺さるイントロが印象的なミディアム・バラード。綺麗になることで別れた彼を振り向かせようとする少女の心情を綴った詞に、共感が持てる。泣きのギターが冴えわたる間奏もクール。
07So Together
パワフルなエレキ・ギターやドラムと美しいメロディ・ラインが印象的な、正統派ロッカ・バラード。ブライダル・ソングとしても根強い人気を誇るだけあって、かけがえのない愛を綴った詞が素晴らしい感動的なナンバー。
08遠い星を数えて
数々の作品を残した彼女が、特に愛着を持っていたというラヴ・バラード。ラテン音楽のフレイヴァーを取り入れたサウンド作りや女性コーラス隊のゴージャスなハーモニーなど、ZARDのイメージとは異なるアレンジが新鮮な隠れた名曲。
09遠い日のNostalgia
ピアノとエレキ・ギターを中心とした、シンプルながらダイナミックな構成のポップ・バラード。美しくノスタルジックなサウンドと透明感のある伸びやかなヴォーカルが融合し、きらびやかな音の結晶を作り上げている。
10来年の夏も
恋人への健気な想いを綴った詞に思わず胸キュンなポップ・チューン。1コーラス目はギターの弾き語り風にしっとりと、2コーラス目からはアップ・テンポなバンド・サウンドにと、その鮮やかなコントラストが楽曲にメリハリを与えている。
11かけがえのないもの
歳月を経て再開した恋人へのかけがえのない思いを素直に表現した詞が共感を呼ぶ、アップ・テンポのバラード。サビに至るサウンドの盛り上がりとともに、感情があふれ出るようにドラマティックになるヴォーカルが聴きどころ。
12Boy
シンセ・ベースの音色が印象的な、シンプルな8ビートによるミディアム・バラード。少女のように美しく可憐なヴォーカルが、ノスタルジックな詞世界を余すところなく表現している。甘く切ないサックスのフレーズも、効果的に曲を盛り上げる。
13見つめていたいね
切なくてノスタルジックな歌詞とキャッチーで美しいメロディの融合が素晴らしいミディアム・バラード。シンプルで飾りっ気のないアレンジが伸びやかでクセのないヴォーカルの魅力を最大限に引き出している、隠れた名曲。
[Disc 2]〈DVD〉
01My Baby Grand〜ぬくもりが欲しくて〜
02カナリヤ