ミニ・レビュー
サックスやベース、ドラムを含む、きっちりしたバンド編成でクラブ系のダンス・ミュージックをやるi-depのセカンド・ミニ・アルバム。フュージョン・バンドの現在進行形がこんなスタイル? 爽やかポップスな「eyes to eyes」の路線を押し進めてほしい。ちなみに歌詞はほとんど英語。
ガイドコメント
中村寛を中心とするi-depの2ndミニ・アルバム。疾走感にあふれるナンバーやシリアスな世界観を感じさせる曲、メロウでグルーヴィなトラックなど、過去にないほどのヴァラエティに富んだ内容が特徴的だ。
収録曲
01believe
ささやくように歌われる前半と、激しいリズム・ビートに包まれる後半が対照的なアッパー・チューン。ナカムラヒロシの穏やかな歌声と伸びやかなサックスが、絶妙に絡み合っている。“自分を信じる力を持ちたい”という詞に、彼らの心がこもっている。
02please please
Canaの甘くなめらかな歌声が味わえるボサ・ノヴァ風ハウス。ところどころに現れる、エフェクトをかけてチョップ・カットしたコーラスも可愛らしい。ギターやピアノのぬくもりのある演奏が、ゆったりと心温まるひとときを作っている。
03aurora
太古の昔から地球上に存在するオーロラをテーマに、宇宙の静寂を感じさせる壮大なミディアム・チューン。ピアノが持つ本来の音の魅力を最大限に引き出し、清らかな美しさが漂う。ささやくような歌声も、繊細な緊張感をたたえている。
04funk premier
2ビートが刺激的なエレクトロ・フロア・チューン。体の芯にまで響いてくる低音のダンサブル・ビートに、親しみやすいポップな音がほどよく注がれている。各メンバーの実力をしっかりと見せ付けるソロ・パートも、大きな見せ場の一つ。
05flowers in the park
canaが歌う幸せムードのポップ・ハウス。公園に咲く色とりどりの花を眺めながら“小さな幸せも大切にしよう”と歌う、心癒される英詞も彼女らしい。楽しげに弾むメロディが、春の陽気の中にいるような安心感を作っている。
06inside is time
金原千恵子の官能的なバイオリンの音色が美しい、浮遊感漂うエレクトロ・チューン。ゲストのポール・ブルントランのラップが、美しく静謐な世界を作っている。表現の幅を広げていくユニットの底知れない力を感じさせる一曲。
07catch me
扇情的なドラムの連打とファンキーなピアノ演奏がクールな、アシッド・ハウス調ナンバー。彼らの新しい挑戦ともいえる、エモーショナルな音作りが鮮やか。スウェーデンから招いたカルロフが、セクシーなヴォーカルを披露している。
08eyes to eyes
canaが歌うスムース&グルーヴィなミディアム・ポップ。高らかに響くサックスの音色や心地良いギターのストロークなど、みんなで楽しく演奏している雰囲気が伝わってくる。ファンを募集してレコーディングしたコーラスも綺麗。