ミニ・レビュー
通算10作目。躍動感に満ちたテンションを保ち続ける爽やかなヴォーカルは今作でも健在。「シュガー・ナイトメア」ではthe pillowsとのコラボで新たな一面も。シャープな生バンド音が彼らの雄々しさを引き立たせ、野性味を感じさせる。笑って、と畳みかける「HONEY BEAT」はまさに心の栄養剤。
ガイドコメント
“旅”をコンセプトに制作された、通算10枚目のオリジナル・アルバム。「HONEY BEAT」「ジャスミン」などのヒット曲に加え、the pillowsやbonobosからの提供曲、Charaのプロデュース楽曲なども楽しめる。
収録曲
01Voyager〜ボイジャー〜
一筋の光が射して朝陽が昇り始めるさまを想像させるイントロやコーラスが、新たな一歩を踏み出す勇気を促すように奏でられる。銀河系を超光速で走り抜けるようなスケール感を持った詞とアレンジは、壮大で刺激的だ。
02Live Show
原点回帰した風の前向きソング。日本語と英語のコラボレーションといった感じのテンポいいリリックで、途中にラップをはさんだり、間奏ではジェームス・ブラウン「ゲット・アップ」を引用するなど、遊び心にも富んでいる。
03ユメノサキ (20th Century)
人生の岐路で足を止め、過去と未来を見据える気持ちを歌ったミディアム・チューン。大人になっても忘れたくないこと、今だから反省できること……。そんな過去と今を経て未来が成立するということを教えてくれる、大人への応援歌。
04ジャスミン
6人のハーモニーが美しいバラード。朝の爽やかな空気を胸に運んでくれるようなアレンジも清涼剤のごとし。テレビ朝日系『警視庁捜査一課9係 シーズン2』主題歌、および彼らが出演しているTBS系『学校へ行こう! MAX』テーマ・ソング。
05ROCK THE HOUSE (Coming Century)
m.o.v.eのmotsuが手掛けたダンス・ナンバーで、都会的なクールさと尖ったビター・サウンドを融合させた意欲作。なかでも、岡田准一の色気漂う低音ヴォイスがスパイスとなり、短く熱い夜の妖しさを漂わせている。
06HONEY BEAT
爽やかなヴォーカル・ユニゾンに、メンバーの笑顔の粒子が凝縮されているよう。“笑って”とたたみかける無垢なヴォーカル、太陽の光を思わせる心地いいメロディとアレンジが全身に降り注ぎ、リラックスさせてくれる。
07I give smile to you
愛で愛を傷つけぬよう、お互いの笑顔を大切にしたい、と新たな誓いを歌ったラヴ・バラード。厳粛で清潔感の漂うサウンドが、R&B調のメロディを引き立てている。ハモリで聴かせる出だしのア・カペラからは、凛とした決意をも感じさせる。
08BRAND NEW DAY、BRAND NEW LIFE
新たな世界へ旅立つ人やそんな日があったと懐かしく思う人。聴き手の心をスクリーンにして、大切にしたい人や記憶を描き出してくれる力を持った曲。春風のいたずらのように心くすぐるヴォーカルが涙腺を緩ませる。
09Rainbow
前向きなヴォーカルや詞に込められたエネルギーが、はじめの一歩を踏み出す前にそっと背中を押してくれるようだ。早稲田アカデミーCMソング、および彼らが出演するフジテレビ系『VVV6 東京Vシュラン2』テーマ・ソング。
10僕と僕らのあした
お互いが支え合って生きる素晴らしさ、そんな人生の機微を歌ったミディアム・バラード。“ひとりきりで強くなる必要はない”と優しいヴォーカルが、のしかかる重き荷を降ろしてくれる。同性への等身大のメッセージ・ソング。
11シュガー・ナイトメア
the pillowsをゲストに招いたナンバー。生バンドに乗ったヴォーカルは切れがよく、いつも以上に生き生きとして伸びやか。ギター・プレイの雄々しさとヴォーカルの成熟した色気があいまって、新たな一面を見せている。
12ハジマリ
別れの場面を描いたバラード。別れが恋人とでも、友人とでも、聴き手の解釈によってもしっかりと描かれるディテールが見事。冬の朝の描写を静かに歌うヴォーカルが切ないが、“別れは始まりなのだ”と徐々に盛り上がるヴォーカルが教えてくれるようだ。
13グッデイ!! (歌いわけ変えましたVersion)
愛しい人を想う気持ちを爽やかに綴ったハッピー・チューン。弾んだ心を思わせるような、イントロの軽やかなデジタル・サウンドのメロディが印象的だ。テレビ朝日系ドラマ『警視庁捜査一課9係』の主題歌。